東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
いよいよ平成29年5月29日から法定相続情報証明制度がスタートします。
平成29年5月19日現在、法定相続情報証明制度に関する法務省民事局からの通達が3つでています。
今回は平成29年5月18日及び19日に出された通達を紹介します。
法定相続情報一覧図の写し 商業登記などでも使えるのか?
法定相続情報一覧図は原本還付できるか?
不動産の相続登記を申請する際、法定相続情報一覧図の写しを添付すると、戸籍謄本等の添付が不要になります。
ところで、法務局の認証を受けた法定相続情報一覧図の写しる場合、原本還付手続をすることができるのでしょうか?
通達(平成29年4月17日民二第292号)によると、申請人から添付した一覧図の写しの原本還付の請求があった場合には、原本還付することができるとなっています。
この場合、相続関係説明図が提出されたときは、当該相続関係説明図を一覧図の写しの謄本として取扱い、一覧図の写しは還付することとして差し支えないとされています。
相続登記の際に一覧図を添付すれば、戸籍謄本等は添付する必要はなく、さらに相続関係説明図をつければ、一覧図のコピーをもって原本還付する扱いとなります。
ただし、一覧図を添付したからといって、あくまでも戸籍謄本の代わりをするだけであるということに注意が必要です。
遺産分割協議書や相続放棄申述受理証明書などまで一覧図で代用するわけではないことに注意してください。
法定相続情報一覧図の写しを商業登記や供託手続で使えるか?
法定相続情報一覧図は商業登記や供託手続に利用できるのか?
例えば商業登記で役員が亡くなったとき、戸籍謄本を添付しますが、それに代えて一覧図を添付できるかという問題です。
通達(平成29年5月18日民商第84号)で、商業・法人登記申請の添付書面のうち、相続があったことを証する市区町村長その他の公務員が職務上作成した書面及び役員等の死亡を証する書面として、一覧図を扱うことができることになりました。
また、供託についても、相続人が供託物払渡請求をする場合に添付する書面のうち、相続があったことを書面として、一覧図を添付することができる扱いになりました。
(平成29年5月18日民商第83号)
供託手続についても商業登記についても一覧図については原本還付が可能です。
まとめ
法定相続情報証明制度については、一覧図の写しを商業登記や供託手続でも利用可能です。
また、一覧図の写しを原本還付することが可能であることを確認しておいてください。
今回は
『法定相続情報一覧図の写し 商業登記などでも使えるのか?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
2018年からは相続税の申告のためにも法定相続情報一覧図の利用が可能になりました。こちらもあわせて御覧ください。
法定相続情報証明制度 相続税の申告でも一覧図の写しが使えるようになる?
参考書籍
設問解説 相続法と登記
幸良 秋夫 日本加除出版 2010-05
|