ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
法定相続情報証明制度。
2017年5月末から始まり、2018年からは相続税の申告についても法定相続情報一覧図の提出が認められました。
ところで、法定相続情報証明一覧図の申出・交付をし、その後さらに一覧図が必要となった場合で、申出人が死亡した場合、どのように扱うのか。
そのことについて、書いていきます。
今回は事前に法務局に確認した上で私見も交えて紹介するので、実際にこの事案に即したときは法務局に確認してください。
法定相続情報証明制度 申出人が亡くなったあとでも一覧図の再交付はできるのか?
一覧図の再交付 申出人以外の相続人からで請求は可能か?
金融機関で一覧図を提出していたが、さらに必要になった場合、さらに一覧図の交付の申出をすることができます。
その時の申出人ですが、当初法定相続情報証明の一覧図を法務局に申出した人に限られます。
つまり、最初に申出人になっていない相続人は、その後一覧図の再交付の際の申出人にはなることができません、
一覧図の申出人が亡くなったら、一覧図の再交付はできなくなるのか?
一覧図を作成すると、以後5年間法務局に保管されます。
その間、申出人は一覧図の再交付を申し出ることができます。
しかし、実際に以下の事案が発生した場合はどうなのでしょうか。
Aさんが亡くなり、相続人が配偶者のBさんと子供のCさん。
Aさんの法定相続情報一覧図をBさんが申立人となって法務局に申請した。
その後、Bさんが亡くなったとき、Aさんに関する一覧図はCさんは取得できないか?
先程の場合で考えると、Cさんは申出人でないからAさんに関する法定相続情報一覧図の取得はできない。
さらに一覧図には死亡した者の記載がされないので、そもそもAさんの一覧図はBさんのことが記載されているので、意味のないものになる。
なので、Aさんの法定相続情報一覧図は保管期間経過前でも取得できないという考えもあります。
しかし、法務局に問い合わせたところ、申出人Bさんが亡くなった時、相続人の地位としてCさんが申出人となることができるという回答を得ました。
その際は。Bさんの脂肪の記載のある戸籍謄本、Cさんの現在の戸籍謄本、CさんがBさんの相続人であることを証する戸籍謄本が必要になります。
そうすることで申出人Bさんの相続人CさんがAさんについていの一覧図を取得できるようになります。
もし、この一覧図を金融機関に提出する際は別途Bさんが亡くなったことを証する戸籍謄本が必要になると思われます。
まとめ
上記の事案の場合でまとめると
Aさんに関する法定相続情報一覧図の申出人がBさんだったら、再交付の申出人はBさんであって、相続人のCさんからは再交付の申出人となることはできない。
しかし、申出人のBさんが亡くなった場合、相続人であるCさんがBさんの相続人であることを証する戸籍謄本等を添付すれば、Aさんについての一覧図の再交付を受けることができる。
ちょっとややこしいですが、以上のように理解すればいいでしょう。
今回は
『法定相続情報証明制度 申出人が亡くなったあとでも一覧図の再交付はできるのか?』
に関する内容でした。
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法定相続情報証明制度、相続税の申告でも利用できるようになりました。
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参考書籍
相続手続が簡単に 法定相続情報証明制度の利用の仕方
碓井 孝介 日本加除出版 2017-07-05
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