こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える「相続・会社設立に」に特化した事務所、司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
母が相続した実家の不動産の処分をどうすべきか悩んでいます
相続登記を終えたお客様の中には、上記相談者のような悩みを持つ方が少なくありません。
特に、すでに自分たちの住居を所有している子ども世代にとって、母親が亡くなった後の実家は空き家になり、維持や処分について考えなければならない大きな課題となります。
今回は、そのような不動産処分の悩みを解消するために、遺言書の有効な活用法を、司法書士の経験をもとに具体的に解説します。
実家の不動産に関する複雑な悩み
相続時に問題となるのが、不動産の処分方法です。
実家は単なる資産ではなく、家族の思い出や絆が詰まった特別な場所であるため、単純な売却や賃貸といった選択をするのは容易ではありません。
さらに、相続人が複数いる場合、それぞれの意見が食い違い、手続きが進まなくなることもよくあります。
例えば、過去に私が対応したケースでは、お母様が亡くなった後に残された実家をどうすべきかで家族全員が困惑していました。
ある兄弟は「親の思い出があるから売りたくない」と言い、一方で他の相続人は「維持費がかかるので早く売却したい」と主張していました。
実家をどうするかで家族の関係がぎくしゃくすることは、非常に多い問題です。
遺言書が将来のトラブルを防ぐ
こうした問題に対処するためには、被相続人である母親が遺言書を準備することが有効です。
遺言書があれば、不動産をどのように処分するかという母親の意思が明確になります。
それにより、相続人同士での揉め事や手続きの遅延を防ぎ、スムーズな相続手続きを進めることが可能です。
具体的には、「不動産を売却してその代金を分割する」など、詳細な指示を遺言書に書くことが推奨されます。
遺言書に母親の意向が明確に示されていれば、相続人もその意思を尊重しやすくなり、全員が納得できる結果を得られます。
そのためにも遺言書に「付言事項」を書いておくことをおすすめします。
母親が生前に不動産の処分について子どもたちと話し合うのも効果的です。
事前に意向を共有することで、家族全員が同じ方向を向いて動けるようになります。
ただし、法律の専門的なアドバイスが必要な場合もあるため、司法書士を交えて手続きの計画を立てるのが理想的です。
遺言書の具体的な書き方とポイント
遺言書に記載するべき項目としては、不動産の帰属先や処分方法、維持費の負担分担などが挙げられます。
また、遺言執行者を指定することも有効です。
遺言執行者がいれば、遺言書の内容が正確に実行され、手続きが滞ることなく進みます。
さらに、不動産の具体的な使い道を記載することも一つの手です。
例えば、「母の実家は売却し、その売却益を子どもたちで分ける」など、具体的な指示があると手続きがスムーズに進みます。
たとえば、母が遺言書に「実家は売却して子どもたちで分ける」と明記していました。
この指示のおかげで、相続人同士が議論することなく、すぐに売却手続きを進めることができ、全員が満足する形で相続を完了することができました。
こうした事例を見るたびに、遺言書の重要性を強く感じます。
司法書士に相談するメリット
遺言書の作成は、単に法的な文章を書くことではありません。
不動産を含む遺産の処分に関する意思を明確にすることで、将来の家族の負担を軽減する手続きです。
司法書士に相談することで、適切な文言を用いて法的に有効な遺言書を作成でき、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
また、遺言書に関するご相談は、一度きりではなく、状況に応じて見直しや変更も必要です。
そうしたプロセスも司法書士がサポートします。
まとめ
母親が亡くなった後の実家の不動産問題は、多くの相続人にとって大きな負担です。
しかし、遺言書があることで、その負担を軽減し、家族がスムーズに手続きを進められるようになります。
司法書士として、皆様の不安を解消し、相続に関する様々な問題に対応するサポートを提供しています。
どうぞお気軽にご相談ください。
当事務所へのご相談を心よりお待ちしております。
江戸川区船堀、宇喜田、葛西、東小松川地域にお住まいの方で、相続・会社経営(商業登記を軸とした企業法務)に関するお悩みがある方は、ぜひ当事務所までご相談ください。
当事務所のウェブサイトをチェック
今回は
『母の実家が空き家に?相続後の不動産処分に遺言書を活用する方法』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
最新のブログはこちら
相続に関する電子書籍を出しました!
「がんばらない相続手続き 効率よく進める3つの方法」の電子書籍を発売しました!