こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える「相続・会社設立に」に特化した事務所、司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
相続登記は、不動産を相続した際にその名義を変更する手続きです。
相続登記には「法定相続分」で登記する方法と、遺産分割協議を経て特定の相続人に登記する方法があります。
今回は、法定相続分で登記することのメリット・デメリットについて、わかりやすく解説します。
1. 法定相続分とは?
「法定相続分」とは、法律で定められた相続人の取り分のことです。
たとえば、被相続人(故人)の配偶者と子供が相続人の場合、配偶者が2分の1、子供が残り2分の1を分け合う形になります。
法定相続分で登記する場合、各相続人の持分がそのまま登記されることになります。
2. 法定相続分で登記するメリット
・手続きがスムーズ
遺産分割協議がまとまらない場合でも、法定相続分で登記することで、ひとまず相続登記を完了させることができます。
特に相続人間で話し合いが難航するケースでは、早めに登記を済ませておくことで、将来の不動産取引や税務上の問題を防ぐことができます。
・登記義務を果たせる
2024年4月から相続登記が義務化されるため、相続登記をしないと罰則が科される可能性があります。
法定相続分で登記することで、この義務を果たし、罰則を回避することができます。
・トラブルを未然に防ぐ
相続人の一部が不在だったり、連絡が取れない場合でも、法定相続分で登記しておけば、相続財産が宙に浮くことを防げます。
相続財産が複雑な場合や緊急を要する場合に、一時的な措置として有効です。
3. 法定相続分で登記するデメリット
・不動産の処分が難しくなる
法定相続分で登記すると、登記簿上に複数の相続人の名前が記載されます。
そのため、不動産を売却したり、賃貸に出したりする際には、相続人全員の同意が必要となり、手続きが煩雑で時間がかかることがあります。
不動産の有効活用が難しくなる場合もあります。
・共有状態が長期化するリスク
法定相続分で登記した場合、相続人間での共有状態が続きます。
共有状態はトラブルの原因になりやすく、不動産の管理や修繕に関する意見の相違が生じることもあります。
相続人が多い場合、全員の意見をまとめるのは非常に困難で、結果的に不動産の処分が遅れる可能性があります。
・固定資産税の負担が増える可能性
不動産が共有状態になると、固定資産税の支払いが複雑になります。
誰がどれだけ負担するのか、相続人間でトラブルが発生することもあります。
さらに、税金の支払いが遅れると、延滞金が発生するリスクも高まります。
4. 司法書士からのアドバイス
法定相続分で登記するのは、相続手続きを早く進める一つの方法ですが、長期的にはデメリットが多いことを理解しておくことが大切です。
できれば相続人同士で話し合い、遺産分割協議を経て具体的な分配方法を決めたうえで登記するのが理想です。
特に共有状態が長引くと、不動産の有効活用が難しくなることがありますので、早めに専門家に相談することをおすすめします。
あと、共有状態のままだと、共有者のひとりに相続が始まった場合、見ず知らずの相続人がでてきて、より不動産が有効活用できなくリスクがあります。
たとえば、親子が不動産を共有しているような場合、親が先に亡くなれば、子単有にすることは遺産分割等の話し合いでなんとかなります。
しかし、子が先に亡くった場合、結婚して子供がいれば、親は相続権がないので、不動産の名義がより複雑化してしまいます。
当事務所では、相続人の状況やご希望に応じて最適な登記方法を提案いたします。
相続登記に関する疑問やお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。
スムーズに相続手続きを進められるよう、迅速で丁寧なサポートを提供いたします。
まとめ
法定相続分で相続登記を行うことで、手続きをスムーズに進められる一方、共有状態が続くことでトラブルや不動産活用の難しさが生じるリスクがあります。
相続の状況に応じて、適切な登記方法を選ぶことが大切です。
特に長期的な影響を考えると、遺産分割協議を経た登記が理想的です。
まずは専門家に相談して、最適な相続対策を考えてみてはいかがでしょうか?
当事務所へのご相談を心よりお待ちしております。
江戸川区船堀、宇喜田、葛西、東小松川地域にお住まいの方で、相続・会社経営(商業登記を軸とした企業法務)に関するお悩みがある方は、ぜひ当事務所までご相談ください。
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今回は
『法定相続分での相続登記:トラブル回避とリスクを知ろう』
に関する内容でした。
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