相続でいちばん大切なのは“情報”と“気持ち”― 江戸川区の司法書士が解説する「家族を守る相続準備の基本」 ―

東京都江戸川区船堀、司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirijunshoshi)です。

 

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はじめに

相続の相談を受けていると、「うちは財産が少ないから大丈夫です」とおっしゃる方が少なくありません。

しかし実際には、相続で本当に困る家ほど“財産の多さ”より“情報不足”と“気持ちのズレ”を抱えています。

この2つが揃うと、財産の大小に関係なく、誰の家でもトラブルが起こります。

この記事では、江戸川区・船堀で相続相談に特化してきた司法書士として、多くの現場から見えてきた
「相続でいちばん大切な2つのこと」をどこよりもわかりやすく解説します。

家の相続が初めての方も、記事を読み終える頃には“明日やるべき一歩” が必ず見えてきます。

相続で一番多いトラブルは「お金」ではない

相続トラブルは財産額で決まりません。

揉める家には共通点があります。

それが、
・情報が整っていない
・気持ちのズレが大きい

の2つです。

江戸川区でも、
「実家の名義が祖父のまま」
「預貯金の場所がわからない」
「兄弟で気持ちが噛み合わない」
という相談が増えています。

この“情報”と“気持ち”を整えるだけで、相続は半分以上スムーズになると言っても過言ではありません。

① 情報不足が相続で最大のリスクになる理由

情報がわからないまま相続が始まると、手続きは一気に難しくなります。

よくある情報不足のケース

● 預貯金の口座が多すぎて凍結解除が進まない

ネット銀行・ゆうちょ・地銀・証券…

複数の口座が見つかるたび、相続人は消耗します。

● 実家の名義が祖父母のまま

これは“相続の地雷”です。

相続人が20〜40人に増えることもあります。

● 親のタンス預金をめぐる疑心暗鬼

「本当にここにあったの?」

“気持ちのズレ”を一気に広げます。

● 保険証券が見つからない

請求期限を過ぎてしまう例もあります。

情報が整っている家は例外なく“スムーズ”

情報が揃っているだけで、
・手続きスピード
・相続人の負担
・兄弟間の理解
すべてが圧倒的に違います。

情報整理は「相続のスタート地点」です。

② 気持ちのズレが“争族”を生む

相続は、財産の問題に見えて、実は“心の問題”がほとんどです。


【H3】よくある“気持ち由来”の相続トラブル

● 介護の負担をめぐる不満
● 遠方に住む兄弟との温度差
● 子ども時代の不公平感
● 親の本音が伝わっていなかったことによる誤解

これらの“気持ちの溝”が埋まらない限り、どんなに財産が少なくても争いになります。

逆に、気持ちを共有できている家は、財産が多くても揉めません。

これは多くの現場で見続けてきた“真実”です。

相続は「情報」と「気持ち」の両輪で準備する

ではどう備えればいいのか?

答えはシンプルです。

次の3つを整えるだけでOKです。


(1)財産リストを作る

まずは“どこに何があるか”の把握から。

・銀行名
・保険の種類
・不動産の有無
・証券口座
・借入の有無

細かい金額まで書く必要はありません。

“存在の有無”だけで十分です。


(2)重要書類の保管場所を家族で共有する

通帳・保険証書・権利証・実印。

これらが見つからないだけで手続きが大幅に遅れます。


(3)親の“気持ち”を1つだけ聞いてみる

「実家をどうしたい?」
「介護が必要になったら、どんな形がいい?」
「お金の管理、誰にお願いしたい?」

重くない話題からで構いません。

一つ聞ければ、相続の迷子を防げます。

家族で話しやすくなる“やさしい声かけ例”

相続の話は、切り出し方ひとつで空気が変わります。


● ニュースをきっかけに

「相続登記が義務化になるみたいだよ。うちの家の名義ってどうなってるのかな?」

● 書類の確認を自然に

「大事な書類って、どこに置いてある?知っておけたら安心だからさ」

● 老後の希望を聞く

「これからの生活、何を大事にしたい?」

江戸川区の司法書士として伝えたい“今日の一歩”

相続は、
「また今度」
「そのうちやろう」
と言い続けているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

でも、今日の5分が未来を変えます。


▼今日できる3つのこと

✓ 実家の名義を確認する
✓ 親の預貯金の“銀行名”だけ聞く
✓ 大切な書類の場所を共有する

この3つができれば、家族の相続はもう半分以上“迷子にならない”状態です。

まとめ:相続は“家族を守る行動”

相続の準備とは、財産をどう分けるかより、家族がこれからも仲良く暮らしていくための“心の準備” です。

そして、その第一歩が「情報」と「気持ち」を整えること。

あなたの家がこれからも安心して未来へ進めるように、今日の小さな一歩が役に立ちますように。

更に詳しく知りたい方はnoteの有料記事を御覧ください。

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この記事を書いた人

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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。