商業登記の電子証明書 改めて使いやすくなったかを検証してみる
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
令和3年2月15日から、商業登記の申請における印鑑の提出について、大幅に変わっています。
個人的には実務に与えた影響は大きいと思っていて、自分も実務の対応を検討しています。
ところで、印鑑提出の任意化によって、電子署名でも良くなりました。
この制度が導入される前からあった、商業登記の電子証明書は、改正後から使いやすくなったのか、改めて検討してみます。
商業登記の電子証明書 改めて使いやすくなったかを検証してみる
商業登記電子証明書が利用できる制度は?
登記に関するシステム、例えば商業・法人登記や不動産登記を始めとする「登記・供託オンラインシステム」で使えるほか、どんな場合に使えるのでしょうか。
例えば、国税電子申告、納税システムのe-Tax、地方税電子申告のeLTAX、社会保険・労働保険関係手続、特許のインターネット出願など、国や電子地方自治体の諸手続で商業登記電子証明書を利用することができます。
これからの時代を考えると、商業電子証明書を活用するのは便利かもしれません。
昨今の書面申請で、会社代表者の押印が不要になっているので、電子申請の影響が大きいところかもしれません。
電子証明書が小さな会社で利用されづらい理由は?
個人的に電子証明書の時代は必須になると思っていますが、意外と小さな会社では商業登記電子証明書の利用は少ないです。
やはり、大きな障害になっているのは、証明期間だと思われます。
証明期間が3か月から27か月までの期間選択が可能となっていますが、短すぎると契約書等の有効期限等の問題が絡むので問題となります。
電子証明書の証明期間は有効性の確認ができる期間のことをいい、確認できないとなると契約等でも影響が出るでしょう。
さらに証明期間の有効期限が長ければ長いほど費用はかかります。
最低で3か月1,300円であとは3か月ごとに1,000円加算されるイメージでいいでしょう。
27か月で9,300円となっています。
以前は倍近くの値段がしたので、値下げしたのはありがたいですが、まだコスパが高いと思われているらしく浸透しないのが現状だといえます。
もぅ少し手数料が安ければ利用する価値はあると思います。
これから小さな会社でも商業登記電子証明書は取得すべき?
とはいっても、確実に手続はオンライン化の道に進んでいるので、近い将来はどんな規模の会社であっても対応しないといけません。
ひとり株式会社の場合は、商業登記電子証明書の代わりにマイナンバーカードも登記申請のときに利用できるので、わざわざ商業登記電子証明書を取得する必要はありません。
そうはいっても、個人と会社とでは電子証明は分けておくべきであり、できれば商業登記電子証明書を使うといいでしょう。
ただし、商号や本店、代表者が変更になった場合は、証明期間内の電子証明であっても失効することになるので、注意が必要です。
まとめ
国家がインターネット社会に重きを置く中で、書面から電子へと時代の流れを強く感じています。
印鑑届出の制度が任意化されたことで、個人的にはますます電子証明の時代が到来すると思っています。
小さな会社でも印鑑の電子証明へシフトせざるを得ない気がしています。
今回は
『商業登記の電子証明書 改めて使いやすくなったかを検証してみる』
に関する内容でした。
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