東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
はじめに
住宅ローン完済して抵当権抹消登記を申請するときや売買による所有権移転登記を申請する際に注意しなければならないこと。
甲区に記載されている登記簿上の住所と現在の住所がつながらない場合があります。
その時は、抵当権抹消登記や所有権移転登記申請の前に所有権登記名義人住所変更登記をする必要があります。
今回は、どのタイミングで住所変更登記を出したほうがいいのか、私見を交えて紹介します。

住所変更登記を放置しても問題ないか?
不動産を購入したときに、何らかの事情で住所を新住所にしなかったということがあります。
その後に住所変更した場合は、当然登記簿に記載されている住所と現在の住所が異なるため、基本は住所変更の登記の対象となります。
では、実際に住所変更登記をいつまでにしなければならないかというと、このブログを公表している段階では、住所変更登記には期限がありません。
同一市区町村内に移転しているのであれば、住民票を取得すれば、移転前の記録が残るので、さほど問題は起きません。
場合によっては住所変更登記をしたほうがいい場合もある
例えば、違う都道府県や市区町村に住所を移転した場合、住民票だけだと追いかけられないこともでてきます。
この場合、住所を繋げられなくなることもでてきます。
その場合は戸籍の附票で住所をつなげることが可能です。
現状は戸籍の附票は保存期間が長くなり、住所を繋げやすくはなりました。
しかし、戸籍の附票も改正原戸籍の附票の場合だと、実は廃棄されていることも結構あります。
なので、できれば、転勤族で何度も住所を変えないといけない方はどこかのタイミングで一度住所変更登記はしておくといいでしょう。
登録免許税は、不動産1つにつき1,000円で、必要書類は登記簿の住所と現在の住所がつながる住民票(戸籍の附票)です。
申請人は登記名義人単独ですることができます。
抵当権の債務者の住所が違う場合はどうするか
一方住宅ローンを組んで自宅を購入した場合、抵当権を設定します。
その時に、債務者を登記簿に記載しますが、債務者の住所が現在と異なる場合は債務者が単独で住所変更登記ができるのかが問題です。
実は、債務者の住所が異なる場合、不動産所有者の名義変更と異なります。
抵当権者である銀行と所有者との間で共同申請という形式で登記申請をする必要があります。
なので、住所が変わったという場合には、住宅ローンをくんだ銀行に相談して、住所変更登記をするかを確認してください。
住所変更登記の義務化
先程、住所変更登記に期限がないことを書きました。
しかし、相続登記の義務化と同様、不動産登記法の改正により、所有権登記名義人住所変更登記も義務化されることになります。
内容は、住所を変更してから2年以内に所有権登記名義人住所変更登記をしなければならない扱いになります。
もし2年以内に住所変更登記をしなければ、過料(5万円)の対象となります。
個人的には、登記簿を見て住所変更をしていなければ、今のうちから準備してもいいと感じています。
ただ、法務局の職権で住所変更登記をすることも検討されています。
個人の場合は「住民基本台帳ネットワークシステム」を活用して、会社の場合は「会社法人等番号」を利用して、法務局で職権で登記をすることもあります。
いずれにしてもこの法律の施行は令和8年(2026年)4月までに施行される予定です。

まとめ
住所変更登記も意外とややこしいところがあります。
わからないことがあれば司法書士にご相談ください。
今回は
『所有権登記名義人住所変更登記はいつのタイミングでするべきか?』
に関する内容でした。
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参考書籍
5訂版 わかりやすい不動産登記の申請手続 | ||||
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