東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
不動産の名義人が亡くなった場合、相続登記を申請する必要があります。
令和6年4月1日から相続登記は義務化となります。
あなたが気になるのは、相続登記を申請するときにいくら納めなければならないのかという部分でしょう。
今回は、相続登記の登録免許税について紹介します。
参考資料
「相続登記の登録免許税の免税措置について」(法務局ホームページ)
相続登記の登録免許税
そもそも相続登記を申請するとき、何を基準にして、納める必要があるのでしょうか?
相続登記の場合、不動産の固定資産の評価額を課税価格として登記申請を行います。
なので、相続登記を申請する際には、評価証明書を取得します。
評価証明書の取得方法は、以下のとおりです。
東京23区の場合、不動産所在地の都税事務所の固定資産税の係で発行されます。
登記用の評価証明書と請求すれば出してくれます。
手数料は400円で物件が増えるごとに100円加算されます。
その他の市区町村の場合には、不動産所在地の市区町村役場の固定資産税の係で「評価証明書(登記用)」を発行してくれます。
役所によって費用は違ってくるので、評価証明書を取得する前に役所に確認してください。
なお、郵送でも申請可能です。
課税価格は土地と建物の評価額を合計した金額(1,000円未満は切り捨て)を算出します。
登録免許税は算出した課税価格に1000分の4を乗じた金額(100円未満は切り捨て)となります。
相続登記が免除される場合
登録免許税が免税(タダ)となる場合は、以下の2つです。
- 相続により土地を取得した方が相続登記をしないで死亡した場合の登録免許税の免税措置
- 不動産の価額が100万円以下の土地に係る登録免許税の免税措置
意外と上記2の場合で登録免許税が免除になるケースが多くあります。
公衆用道路とか私道だと不動産の課税価格が100万円に満たないケースがあります。
まずは1の場合について説明します。
相続により土地を取得した方が相続登記をしないで死亡した場合の登録免許税の免税措置の例
実はこの内容については私のブログでも取り上げていますので、詳しくは以下のブログを御覧ください。
注意しなければならない点について書きます。
- 1次相続と2次相続があって、登録免許税がタダになるのは1次相続のみ
- 相続登記の対象となる不動産は土地のみであって、建物は対象外
- 1次相続のあとその相続人が不動産を売却した場合であっても、1次相続の登録免許税はタダになる
- 申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と記載してする。記載がない場合は,免税措置は受けられない
- 免税措置が適用されるのは2021年3月31日まで
免税措置の適用の延長は、相続登記がどれだけ推進されたかで延長される可能性はあります。
一番注意しなければならないことは、申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と記載すること。
免税の根拠条文が漏れた場合、補正の対象となり、土地の価額に対して0.4%の登録免許税を納める必要がでます。
もし、1次相続をタダで申請する場合には、申請書の記載で上記免税の根拠条文が漏れていないか確認してください。
不動産の価額が100万円以下の土地に係る登録免許税の免税措置
最近実務で増えている事例が、不動産の価格が100万円以下の土地にかかる登録免許税の免税。
以前は不動産の価格が10万円以下だったので、都内だとあまり利用されていなかったです。
しかし、不動産の価格が100万円以下だと、地方ではそれなりに存在しており、都内でも、公衆用道路や私道の場合に、免税措置になるケースが多いです。
なお、不動産一筆の土地で不動産の価格が100万円以下であれば、対象になり、他の土地や建物が混在している場合には、該当する土地のみ免税となります。
なので、意外と見逃しやすいのかもしれません。
登録免許税につき、この事例で免税を受ける場合は、申請書には、以下のように記載します。
・すべての土地について免税措置が受けられる場合
(課税価格は記載しない)
登録免許税 租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税
・登記申請の対象の土地の一部につき免税措置が受けられる場合
課税価格 金〇〇円(免税措置を受けない不動産の価格の合計額 1,000円未満は切り捨て)
登録免許税 金◯◯円
一部の土地(後記のとおり)につき租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税※登録免許税は土地の免税措置を受けない不動産を除いた他の不動産の課税価格の1000分の4を乗じた額(100円未満は切り捨て)
まとめ
相続登記未了の不動産をなくすため、政府はあらゆる方法で相続登記を推進してくるでしょう。
土地だけではなく建物にもこの免税措置を採用してほしいところです。
今回は
『相続登記 登記申請するときにいくら納める必要があるのか?土地の免税措置もあるのか?江戸川区船堀の司法書士が解説』
に関する内容でした。