会社設立 機関設計をどうするか?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 鉄道大好き司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
会社設立に際して、会社の規模や将来どうしたいかによって、機関設計をどうするか決まってきます。
では、実際にはどうすればいいのかを紹介します。
会社設立 機関設計をどうするか?
会社設立時には公開会社にはしない
私が携わる会社設立については、ほとんどが小規模の個人事業主から法人化したい場合です。
なので、法人化さえできれば極端いいという方が多いです。
そのような会社の場合、株式を自由に譲渡できてしまうと、会社が見ず知らずの人に乗っ取られたり、株式がどこかいってしまったりするリスクがあります。
意外と中小零細企業の方は気にしないかもしれませんが、1株でもどこかにいってしまうと、法的には誰が株主かわからないと、株主の権利を得られなくなり、場合によっては株主総会決議取消の訴えなどの対象にもなります。
なので、コンパクトな会社やこじんまりとはじめたい場合、株式の譲渡制限を設けることが必要になります。
全株式について、株式の譲渡制限を設けている会社のことを非公開会社といいます。
世間一般で言われている公開会社と会社法上では違ってきますので注意してください。
非公開会社の機関設計について
非公開会社は会社の株主もそんなに変わらないため、機関設計も柔軟に対応できます。
最低限でも取締役を置く必要があり、あとは必要に応じて、様々な機関を置くことができます。
将来、会社を大きくして株式公開を目指しているのであれば、私は設立段階から取締役会設置会社にすべきでしょう。
ある程度統制を図ることで、コンプライアンスを重視していると思われるでしょう。
なお、取締役会を設置する場合は、取締役が3名必要なので、人的要件を確保する必要があります。
さらに、取締役会設置会社の場合は監査役が必要なので注意してください。
非取締役会設置会社の場合は、定款に定めれば、取締役会も監査役も任意に置くことができますが、公開会社の場合は、取締役会の設置が義務化され、監査役等も必須になるので注意してください。
監査役を置くときは権限を考える
監査役設置会社にする場合、非公開会社の場合は、監査役の権限を会計限定だけにすることができます。
ただし、会計限定だけにすると、取締役の業務の職務の執行を監査する業務監査権限ができないため、監査役としての機能が低くなります。
しかも、会計限定のみの場合は登記されるため、第三者からも会社の状況を把握されてしまいます。
せっかく監査役を置くのであれば、ある程度業務監査権限も有する方がいいです。
まとめ
最初から規模を大きくしたい場合は、人数が揃わなければ、取締役と監査役をおいておき、監査役の権限を業務監査権限も付与する方法もあるでしょう。
しっかりと第三者から信頼されたい会社の場合は設立段階からしっかり機関設計を構築することが重要です。
今回は
『会社設立 機関設計をどうするか?』
に関する内容でした。
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