東京都江戸川区「6回目でやっと司法書士試験に合格した「相続・商業登記を軸とした中小企業支援業務」の専門家」「登記業務を通じてお客様に寄り添う」 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
動画で作った遺言は有効ですか?
自筆証書遺言が法務局で保管できるようになり、「遺言書」がにわかに注目されています。
よく自筆証書は動画やパソコンで作成してはいけませんか?という質問を受けます。
今回は遺言のあり方について私見を交えて紹介します。
手軽にできて便利だが…動画遺言の法的効力の問題
数年前に動画で遺言を残すサービスをスタートさせたところがあります。
スマホで動画を撮影して、指定した人に動画を共有できるので便利。
運営会社がなくなってもしっかりケアはされているようです。
手軽に動画で撮影できるので、動画撮影慣れしている若い方は遺言を残す手段として使い勝手はいいでしょう。
しかし、動画撮影で残した遺言、実は法的効力は一切ありません。
現状の民法だと動画で作成した遺言には効力はないことを踏まえてください。
手軽に遺言をするなら動画と自筆証書遺言とセットで!
動画作成で遺言を検討している場合、あわせて、自筆証書遺言もセットで行う必要があります。
公正証書でもいいですが、費用がかかるため、手軽に始めるのであれば自筆証書遺言がいいです。
自筆証書遺言をすることで、遺言の効力が法的にも認められますので、相互に補完できていいです。
文字だけだと伝えきれないことが、動画とタイアップすることで、遺言者の発言や表情がわかり、より相続人の心に伝わるでしょう。
遺言で争いになるのは相続人間の「ココロ」の部分が大きく、相続人間の行き違いから騒動になってしまいます。
自分の言葉でしっかり伝える、あなたの思いを伝えるには動画というのが一番手っ取り早い気がします。
なので、遺言を手軽に費用をかけずに行うのであれば、自筆証書遺言と動画というのが一番理想です。
先に自筆証書遺言を法的手続きに則って作成し、それを動画でアップするのが一番効率いいです。
自筆証書遺言の弱点を補う 自筆証書遺言保管制度
自筆証書遺言の弱点として、折角苦労して自筆したのに、いざというときに紛失してしまったということで、遺言が無駄になったということがあります。
その紛失防止のため、自筆証書遺言を法務局で保管する制度が2020年7月からスタートしました。
法務局で遺言書を保管することで、紛失の恐れがなくなりますし、家庭裁判所での検認も不要となります。
ただし、自筆証書遺言の場合、自分が法務局に赴く必要があり、誰かが代わりに法務局にいって手続をすることができません。
さらに、自筆証書遺言の場合、法的不備があると効力が無効になってしまうこともあるので、専門家のアドバイスを受けながら対処してください。
まとめ
動画遺言が民法で認められるまでの間は、動画プラス自筆証書遺言で対応するしかありません。
ただ、動画の良さと自筆証書遺言のメリットをうまく活用すれば、相続で揉めることも減るでしょう。
自筆証書作成の場合は専門家のアドバイスが必要不可欠です。
不明点があればぜひ相談してください。
今回は
『遺言で心を伝える:動画と自筆証書のハイブリッド戦略を江戸川区司法書士・行政書士が解説』
に関する内容でした。
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