東京都江戸川区、ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
ひとり株式会社であっても必ず選ぶ必要がある機関。
それは「取締役」
会社設立時に取締役をどのように選ばないといけないのか、今回解説します。
発起人がそのまま取締役となることはできるのでしょうか?
ひとり株式会社設立 設立時役員をどう選ぶのか?
会社設立手続は発起設立・募集設立があります。
ひとり株式会社の会社設立はほとんどが発起設立なので、これに基づいて書きます。
発起設立の場合、取締役を選任する方法として
- 定款に直接定める
- 発起人の議決権の過半数による定める
ことになります。
発起人が自動的には取締役となることはできず、何らかの形で選任されないと取締役になることはできません。
実務では、ひとり株式会社の場合、発起人も取締役自分一人であるため、定款で決めてしまうことがほとんどです。
発起人の議決権の過半数で取締役を決める場合は、定款認証が終わり、出資金の払込が終わったあとでないとできないので、意外と面倒です。
代表取締役については、取締役自体に代表権がついているので、別途定款で定める必要はありません。
ただし、私の場合は、注意的に代表取締役も定款で定めていることが多いです。
取締役会非設置会社の会社設立時の設立時代表取締役の選び方については議論があるところなので注意が必要です。(詳しくは「商業登記ハンドブック」70ページ参照)
定款で取締役を選んだ場合の発起設立登記申請の注意点
設立時取締役を定款で定めた場合において、就任承諾書の添付が必要となります。
これは定款で、取締役の就任承諾の意思表示が確認できないため、就任承諾書が必須書類となります。
さらに就任承諾書には、実印を押印し、印鑑証明書の添付が必要です。
就任承諾書に住所の記載が必要かどうかにについては、住所を記載すべきであるのが現在の流れです。
就任承諾書に住所記載と本人確認証明書の添付が必要という商業登記規則がありますが、印鑑証明書を添付する場合、本人確認証明書の添付省略はできます。
しかし、住所未記載だと補正になるということもあり得るため、スムーズに登記を完了させたければm就任承諾書に住所を記載すべきでしょう。
代表取締役の就任承諾書については、ひとり会社の場合、別途不要です。
取締役の地位で代表権を有しているため、「取締役=代表取締役」となるからです。
まとめ(今日の気づき)
ひとり株式会社の場合、取締役の選び方は、定款に記載するか発起人の一致で決めるが、定款で決めることがほとんど。
発起人が必ずしも取締役になる必要はない。
ひとり株式会社は取締役と同時に自動的に代表取締役となる。
今回は
『ひとり株式会社設立 取締役は定款で選ぶことができます!江戸川区の司法書士が解説します』
に関する内容でした。
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