小さな会社の法務 もう一度確認!印鑑届書を提出する場合は?

東京都江戸川区葛西駅前 会社設立などの企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

先日以下の質問が来ました。

代表取締役が変わりました。
登記申請をするに当たり、印鑑届出をしなおさないといけないのでしょうか?
前任者と同じ印鑑を使用する予定です。

このブログでも印鑑届書のことは結構読まれています。

印鑑届書は登記申請において大事なところなので再度紹介します。

そして質問者の疑問にもお答えします。

もう一度確認!印鑑届書を提出する場合は?

なぜ会社実印の印影を法務局に届ける必要があるのか?

日本には未だ印鑑文化が残っています。
なので印鑑が押され、その印鑑が照合し問題なければ、間違いがないものと扱われます。

法務局になぜ印鑑の印影を登録するかというと、登記申請時に、本当にこの会社の代表者が登記申請しているのかを確認するためです。

法務局に届出ている印影と申請書もしくは登記委任状に押印されている印鑑の印影が合っていれば問題ありませんが、違っていると登記申請は却下されます。

印鑑届書を提出しなければならない場合

法務局に印鑑届書を提出しなければならない場合としては以下の場合です。

  • 会社設立のとき(合併や分割などの設立と同じ扱いの場合も含む)
  • 代表者が変更した場合
  • 管轄外の本店移転登記をする場合
  • 解散・清算人選任登記を申請する場合

解散登記をし、清算人が従前の代表取締役がそのままなる場合で、その代表者が法務局に印鑑を提出している場合であっても、資格が異なるため、再度印鑑届書の提出が必要です。

「はじめに」の質問の答えですが、代表者が変わったということで再度印鑑届書を新代表者で提出する必要があります。

同じ印鑑を用いる場合も改めて提出し直す必要があります。

印鑑届書はこちらからダウンロードできます。

記載方法はこちらを御覧ください。

なお、印鑑届書を提出する場合、代表者の個人実印を押印し、印鑑証明書を提出する必要があります。
ただし、本店移転の際に提出する印鑑届書については代表者の実印を押印する必要はなく、印鑑証明書を提出する必要がありません。

さらに、代表者の変更で登記申請書に印鑑証明書を添付する場合は、印鑑届書をあわせて提出する場合に限り、登記申請書に添付してある印鑑証明書を援用することができ、その際は、印鑑届書の中程の「印鑑証明書は登記申請書に添付してあるものを援用する」にチェックしてください。
その場合でも、委任状もしくは右の部分に押印する印鑑は代表者の実印であることに注意してください。

印鑑カードを引き継げる場合と引き継げない場合

印鑑証明書を取得するには、印鑑カードが必要です。

印鑑届書を提出した場合、改めて印鑑カード交付申請書を提出し直さないと行けないのでしょうか。

会社の代表者が変わった場合や、解散・清算人の登記を申請する際には、印鑑届書提出の際に印鑑カードを引き継ぐ旨を記載すれば、そのまま印鑑カードを使えます。

印鑑カードを引き継ぐにチェックして、印鑑カードの番号を印鑑届書に記載するだけで印鑑カードはそのまま使えます。

なので、印鑑カードをそのまま使いたい場合は、印鑑届書に必要事項を記載することをお忘れなく。

なお、管轄外の本店移転登記をすると、今まで使っていた印鑑カードは使うことはできず、再度新本店所在地で印鑑カードを交付する必要があるので注意してください。

まとめ

印鑑届書を必ず提出しなければならない場合を上げました。

印鑑カードをそのまま引き継ぐ場合は、印鑑届書に必要事項を記載しておかないと、カードを引き継ぐことはできないので注意してください。

今回は
『小さな会社の法務 もう一度確認!印鑑届書を提出する場合は?』
に関する内容でした。

あわせて読みたい

よくFacebookで「法務局に来ました」という投稿をあげているのを見かけます。
実は自分の会社の本店所在地以外でも会社の登記事項証明書や印鑑証明書を取得することができるのをご存知ですか?

参考書籍

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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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