東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
質問です。
父が亡くなりました。すでに母は亡くなっています。
私達も独立して、現在誰も住んでいない状況です。
なお、父の財産は不動産くらいしかめぼしいのがなく、相続税もかからないみたいです。
誰かに名義を変えても住まないので不動産を売りたいのですが、まだ父名義のままです。
不動屋さんには相談に行きましたが、名義をかえる必要があると言われました。
名義を変えるにはどうすればいいでしょうか?
誰も住まなくなった実家を売却したいという方は意外と多いです。
しかし、その実家の名義が被相続人名義のまま。
このままの状態で売却できるかが今回のブログのテーマです。
実際に不動産屋さんの言っている通り、被相続人名義のままで不動産を売ることができないのでしょうか?
あくまでも、この事例は、相続開始後に相談が来た事例に基づいて書いています。
税務の問題については税理士にご確認の上対応してください。
不動産を売却するにあたり名義を変える必要があるか?
不動産の名義人が亡くなった場合、不動産を売却してそのお金で相続人で分けたい。
誰も住まなくなった実家をそのままにしておきたくないという需要は正直増えています。
実家を売却する場合、被相続人名義のままで売買による所有権移転登記ができるのかは大きな問題です。
つまり、「相続登記」で相続人の名義にしなくても、すぐに売却できるのかという問題です。
結論は、亡くなっている人が売買契約を締結できるわけではないので、一度相続登記を入れる必要があります。
亡くなっている人名義のままでは売買はできないということになります。
例外としては、生前に被相続人が売買契約を締結して、登記手続きをしないまま亡くなってしまった場合は、被相続人名義で登記申請をすることができます。
被相続人名義の不動産を売却するに際して注意することは?不動産の名義を誰にするのか?
もし、相続開始後に当該不動産を売却したい場合、登記手続はどうすればいいのか?
まずは、被相続人名義の不動産を売却するに際し、該当不動産で相続登記を申請する必要があります。
その相続登記を申請するに際して、誰の名義にするのかも問題です。
法定相続人全員の名義で相続登記を申請しても構いませんし、相続人のうち誰かひとりに引き継がせるのも構いません。
なお、相続人のうち、誰かひとりにまとめる場合には遺産分割協議が必要になります。
相続完了後の売買契約の当事者がどうなるか?
もし、対象不動産を法定相続分どおりで相続人全員の名義で入れた場合、第三者に不動産を売却する際は、全員が売主として、売買契約に携わる必要があります。
相続登記で法務局から受領した登記識別情報通知が必要ですし、個々の印鑑証明書も必要になります。
売却代金も原則は不動産の持分(法定相続分)で分けることになります。
一方、誰かひとりだけに名義をした場合、当事者はその人だけになります。
売却代金はその方だけに入ることになりますが、売却の際に生じた税金はその人が負担することになります。
なお、不動産をひとりに引き継がせて、その売却代金で他の相続人に渡す場合、贈与税の問題が生じますので注意してください。
どうしても税務が絡むと司法書士の範囲外となりますので、ご注意ください。
どちらがいいのかは相続人間で決める
被相続人名義の不動産を誰に渡すのか、売却を前提とするのであれば、売却後のお金の帰属先はどうするのかを書面に残しておくことが大事です。
結局、後々の税務申告等で大事な資料となるので、できれば税理士や司法書士などの専門家に入ってもらうといいでしょう。
仮に相続税も発生しそうであれば不動産の売買の前に税理士に相談することをオススメします。
さらにひとりに承継させて、その売却代金で相続人間で分ける場合、税金の問題も出てきます。
被相続人名義の不動産を売却する場合は税金の問題が出てくることを忘れないでください。
まとめ
被相続人名義の不動産を売却したい場合は、相続登記をしてからでないと売却できません。
被相続人名義の建物を残してしまうと、空き家問題も出てきて、近隣の迷惑にもなります。
誰も住む予定がなければ早めに相続登記をした上で売却したほうがいいです。
売却の場合は、税金の問題もあるので、事前に専門家に相談しましょう!
今回は
『相続後の不動産売却、名義変更は必須?実家の名義問題を解説!江戸川区船堀の司法書士が紹介!』
に関する内容でした。
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