東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
最近やたらと「相続◯◯士」とか「一般社団法人相続◯◯協会」とかが多いですね。
でも一般の方から「相続の相談をしたいのだが・・・」という時に、「相続○○士」に相談してもいいのか、どこに相談したらいいか迷ってしまうこともあるようです。
そこで、「相続」についてのあなたの悩み、実際にはどこに相談したらいいのか?
私の考えを含めて書きますが、あくまでも私自身の考えであることをご承知ください。
相続に関する悩みは誰に相談するのがベストか?
どの士業がどの分野を専門にしているのか?専門的なことは専門家に相談するのがいい?
相続については、以下に記載した、その分野に応じた専門家に相談するのが一番いいでしょう。
- 相続登記については司法書士
- 遺言作成については司法書士か行政書士
- 相続税については税理士
- 相続財産争いになりそうなら弁護士
といった感じです。
相談する上で、もし自分の業務の範囲外のことが出るようであれば、その士業の先生から他の士業の先生を紹介してくれるので、手間はそんなにかからないと思います。
例えば、相続登記に関する相談を司法書士にしたが、相続税も出る可能性があり、その司法書士から税理士を紹介するといったイメージです。
相続協会や相続◯◯士はあくまでも民間機関に過ぎない
最近、高齢化社会になるにつれ、相続をビジネスチャンスと捉えている士業等が増えています。
となると、相続なんとか協会や一般社団法人、相続に関する資格がでてくるのは致し方無いです。
ただ、あくまでも、こういう法人・団体は国家資格者がメンバーに居ることが多いですが、入り口はあくまでも民間であるということは認識したほうがいいでしょう。
「相続◯◯士」というのはあくまでもその相続協会みたいなところの認定機関で決めたものであるので、国家資格ではないということを覚えておいてください。
「相続◯◯士」を資格を持っているが、他に国家資格(弁護士や司法書士、税理士など)を持っていない方が司法書士や税理士、弁護士業務の内容について相談を受け報酬を得た場合は、各業法違反になる可能性があります。
国家資格のワンストップサービスを売りにしていて、一つの窓口に相談すれば、その内容にあった士業を紹介してくれるというところもあります。
ただ、インターネットで検索して実際に相続に関する法人等のところを見ても何がどう違うのかわからないのも事実です。
あと、協会等の報酬基準がどうなっているのか、いまいち見えてこないところも多いです。
例えば専門家を紹介した場合に報酬をいくら払うのか、協会にはいくら納めるのか、そのあたりも明確になっていない部分もあります。
最近では「民事信託」に関する協会も増えているが・・・
相続や成年後見では解決しづらい部分があるとして、最近「家族信託」が話題になっています。
家族信託を使えば相続等の揉め事も解決できるというフレーズで協会を設立しているところもあります。
そして「信託○○士」とか名乗っているところもありますが、これも「相続○○士」と同じように国家資格ではありません。
諸手続きをする際は、各国家資格を有する人でないとすることができませんので、ご注意ください。
まとめ
最近、協会ビジネスやら資格ビジネスが流行っており、相続や民事信託の分野についてもこのような流れが来ています。
○◯協会等についても、誰が代表者でどういう構成になっているのかホームページからわからないところもでています。
あと、相続○◯士、信託○○士というのもありますが、それだけだと民間資格であり、国家資格ではありません。
ただ、行政書士とか税理士、司法書士と併用して民間資格を取得している方もいます。
いずれにしても、相続で分からないことがあったら、各士業の専門家に相談するのが一番いいです。
冒頭でも書きましたが、あくまでも私の意見であることをご承知ください。
最後に参考投稿を紹介しますが、この投稿をみると、本当に相続に関する資格は多すぎますよね。
そのうちどこかの協会がなくなりトラブルにならないことを祈るばかりです・・・
今回は
『相続に関する悩みがあるのですが、どこに相談すればいいですか? 』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
相続法改正を始めとした民法改正が行われます。概略を知っておくことは大事です。
こちらもあわせて御覧ください。
参考投稿
参考書籍
これだけは知っておきたい相続の知識―相続人と相続分・遺産の範囲・遺産分割・遺言・遺留分・寄与分から戸籍の取り方・調べ方、相続登記の手続・相続税まで吉岡 誠一 日本加除出版 2015-12 売り上げランキング : 278228
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