会社経営している場合 役員が亡くなってしまった場合どうすればいいのか?司法書士が解説します
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
最近起業する方も増えて、ひとり株式会社を設立する方が増えました。
もし、会社経営している方が亡くなってしまった場合、相続人はどうすればいいのでしょうか?
今回は相続と商業登記について解説していきます。
会社経営している場合 役員が亡くなってしまった場合どうすればいいのか?司法書士が解説します
商業登記でひとり会社の役員が亡くなった場合何をする必要があるのか?
ひとり株式会社の場合、「役員に関する事項」の取締役・代表取締役の役員が亡くなった場合、変更登記をする必要があります。
法律上、役員に関する事項の変更は、変更後2週間以内にする必要があります。
相続登記と違ってこちらは期限がありますので注意してください。
とはいっても、多少の期限超えは過料にはならないのが実務の扱いです。
とはいっても、亡くなってから半年を経過してからの役員変更登記は過料の対象になるので、適宜なときに速やかに役員変更登記を行ってください。
役員変更には株主総会の決議が必要
ひとり株式会社の取締役が亡くなったときは、株主総会で新たに役員を選任する必要があります。
といっても、株主も亡くなった人なので、権利行使できるのは相続人全員です。
なので、株主総会を開催して、後任者を選ぶ際には、相続人全員が株主として議決権に参加して決めることになります。
注意する必要があるのは、一度株主として権利行使をしてしまうと、相続放棄ができなくなってしまうこと。
株式は遺産分割協議で誰かに株式を渡すか決まるまでは、相続人全員で共有で保有しないといけないから。
そこで株主総会で権利行使すると、単純承認したことと同じになり、相続放棄できなくなります。
なので、家庭裁判所に相続放棄の申立をする場合は、株主総会はその間は開けないということになります。
もし、株主の相続人全員が放棄した場合は、仮取締役の選任を家庭裁判所に申し立てるしか方法はないでしょう。
ひとり株式会社の相続は要注意
ひとり株式会社の場合株主も役員も一緒。
亡くなったからといってすぐに会社をたたむ手続きをすることはできません。
なので、自分の代で会社を終わらせたい場合は、生前に会社をたたむか、誰かに売却して事業承継するかを考える必要があります。
会社だけ残されても相続人は迷惑になることがありますので注意が必要です。
場合によっては、存立時期の定めを定款で定めておくこともこれからの時代はありかもしれません。
なお「存立時期の定め」は登記事項でもあります。
まとめ
ひとり株式会社の相続は意外と残された方々にとっては大きな問題になるかもしれません。
自分の代で終わらせる場合には、それなりの対策を講じる必要があるかもしれません。
今回は
『会社経営している場合 役員が亡くなってしまった場合どうすればいいのか?司法書士が解説します』
に関する内容でした。
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