「会社設立アドバイザー」
東京都江戸川区葛西駅前
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
節税のための会社設立、本当にいいの?
朝日新聞デジタル版に「会社設立」に関する記事が紹介されていました。
「節税」対策の一環として会社を設立している方が増えているとのこと。
節税で増える会社化 高所得の個人事業者、法人減税受け:朝日新聞デジタル
果たして「節税」のために会社を設立してもいいのでしょうか?
実はある会社形態の出現で法人化も簡単になっているのです。
最後にこれから起業される方にオススメの本を紹介しますので、最後までお付き合いください。
高所得の個人事業主が法人化をしている?
今の日本の税制だと、個人の所得にかかる所得税は収入が多いほど、税率が高くなっていきます。
一方、法人税は、安倍政権の政策で法人税率が下がっています。
となると、高額所得者は、節税のために法人化するのも致し方ないのかもしれません。
特に、マンションとか所有し、家賃収入で生活をしている方が、法人化するケースが多いです。
結局、収入の多い方が、税金対策のために法人化して、少しでも税金を納める額を減らそうとしていることが、法人化を増やしているひとつの要因ですね。
実はもう一つ、要因があると私は睨んでいます。
「合同会社」設立件数増加も要因?
株式会社設立よりも簡易に出来る「合同会社」設立が法人化の要因のひとつといえます。
合同会社の数が2万件近くで、浸透してきています。
合同会社の場合、株式会社設立と比べると、
- 設立時に公証人の定款認証がいらない
- 法務局に設立する際の登録免許税が安い
- 決算公告をする必要がない
- 会社運営上のコストが安く済む
ベンチャー起業にとっては、合同会社は最も作りやすい会社形態といえます。
そのことも、法人化へと進める要因の一つだとお分かりいただけたでしょう。
合同会社こそ司法書士などの専門家に依頼すべき!
実は、合同会社の定款の条文は、自由に選択できる内容ばかりで、一般の方には分かりづらい。
法務省の定款ひな形はわずか8条。
これでは、会社としては体をなしえません。
いくらコストが安いからといって、会社を作る以上、定款をしっかりとしたものにすることが大事。
専門家である司法書士と相談しながら、自分の会社にあった合同会社の定款を作るべきです。
そして、合同会社設立登記をすべきでしょう。
会社設立0円とかのところで作ると、後々面倒なことになります。
ちなみに、定款の電子署名をすると、印紙代4万円を浮かすことができます。
まとめ
節税の話から、合同会社へのことへ強引といってしまいました。
法人化するのはいいですが、「節税」ばかりに目が行くと、思いもがけない費用がかさむことがしばしば。
最近、会社を清算したい方から
「会社を作ったのはいいが、たたむにも結構費用がかかりますね」
という話をされました。
「節税」だけに目を向けず、会社を作ることの意義をもう一度考えてから会社設立する準備をしましょう。
もしどうしても費用をかけないで会社を作りたいというのであれば、合同会社を選択すべきでしょう。
合同会社を作る際は、必ず司法書士の専門家を介して行うことをオススメします。
これから起業される方はこの本をオススメします!
起業1年目の教科書
今井 孝 かんき出版 2015-06-17
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今回もご覧頂きありがとうございました。
感想を聞かせていただけると嬉しいです。