フリーランスのための法人化への道 決算公告だけをホームページで行うことはできるのか?

フリーランスのための法人化への道 決算公告だけをホームページで行うことはできるのか?

ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

フリーランスのための法人化への道

株式会社の場合、決算公告が必須となっています。

決算公告をしないと過料に処せられることもあります。

通常は官報で行うことが普通ですが、決算公告だけをホームページで行うことは可能なのでしょうか。

可能であれば、手続き上どうすればいいのかを合わせて紹介します。

フリーランスのための法人化への道 決算公告だけをホームページで行うことはできるのか?

公告方法は定款でどう定めるのか

どの規模の株式会社であっても、「公告方法」は、基本定款で定めます。

官報に掲載する方法
時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
電子公告

この定款の定めが無いときは自動的に官報による方法となります。

ひとり株式会社やその他そこそこ大きくない会社で電子公告のを公告方法としている会社があります。

しかし、電子公告だと手続きが煩雑で面倒なことが多いので、ひとり会社の場合は「官報」で十分です。

法律の規定による公告を電子公告によりしようとする会社は、いわゆる決算公告の場合を除き、公告期間中、電子公告が適法に行われたかどうかについて、法務大臣の登録を受けた電子公告調査機関の調査を受けなければならないとされています(会社法第941条)。

調査を受けようとする会社等は,電子公告調査機関に対して調査を委託しなければなりません。

ひとり会社の場合、上記が面倒なので、官報を公告方法としたほうがコスト的にも楽なのです。

決算公告だけホームページで行うことは可能か?

先程も書きましたが、決算公告は株式会社だと義務になります。

官報に掲載することも可能ですが、費用がかかります。

電子公告は面倒だけれども、決算公告だけホームページに掲載する方法を採用することは可能でしょうか。

結論は可能です。

メリットとして、電子公告調査機関の電子公告調査が不要のため、費用はかかりません。

デメリットとしては、官報と異なり、決算公告の要旨を公告するだけでは足りず、必ず全文を掲載する必要があります。

また、5年間閲覧できる状態に置かないといけないところもデメリットです。

ある程度、簿記について知識があり、ホームページに掲載しても問題ないという会社は決算公告をインターネットで掲載するのもありです。

なお、決算公告をインターネットで公表したい場合は、貸借対照表等が掲載されるウェブページのURLを登記する必要があります。

以下に参照条文を掲げておきます。

全文を掲載するのが結構面倒であることがわかると思います。

なお、要旨については会社計算規則第137条以下に定めてあります。

会社法第440条(計算書類の公告)
1 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第939条第1項第一号又は第二号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。
3 前項の株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。この場合においては、前二項の規定は、適用しない。
4 金融商品取引法第24条第1項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社については、前三項の規定は、適用しない。

会社計算規則第136条
1 株式会社が法第四百四十条第一項の規定による公告(同条第三項の規定による措置を含む。以下この項において同じ。)をする場合には、次に掲げる事項を当該公告において明らかにしなければならない。この場合において、第一号から第七号に掲げる事項は、当該事業年度に係る個別注記表に表示した注記に限るものとする。
一 継続企業の前提に関する注記
二 重要な会計方針に係る事項に関する注記
三 貸借対照表に関する注記
四 税効果会計に関する注記
五 関連当事者との取引に関する注記
六 一株当たり情報に関する注記
七 重要な後発事象に関する注記
八 当期純損益金額
2 株式会社が法第四百四十条第一項の規定により損益計算書の公告をする場合における前項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「第一号から第七号までに」とする。
3 前項の規定は、株式会社が損益計算書の内容である情報について法第四百四十条第三項に規定する措置をとる場合について準用する。

まとめ

決算公告をホームページに掲載する方法は楽ではありますが、会社計算規則に従った内容を公表しなければならないことを知った上で行ってください。

ホームページに貸借対照表の要旨だけを掲載しても適法な決算公告とは言えませんので注意してください。

費用を安く済ませたい理由で電子公告はリスクがあることは理解してください。

こちらのホームページも合わせて御覧ください。

法務省:電子公告制度について

今回は
『フリーランスのための法人化への道 決算公告だけをホームページで行うことはできるのか?』
に関する内容でした。

あわせて読みたい

フリーランスのための法人化への道に関するブログはこちらから

フリーランスのための法人化への道 株式会社の定款で記載しなければならないことは? | 司法書士行政書士きりがやブログ(きりログ)

参考書籍

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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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