相続~預貯金は遺産分割の対象となるか? 【江戸川区葛西司法書士・行政書士の相続日記】

東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。


はじめに


2016年12月に相続に関する
最高裁判所の判断がありました。


「預貯金は遺産分割の対象となる」


今回は判例の今までの流れから
実務にどう影響出るかを含めて書きます。


もしかしたら、これからの相続対策に
影響が出るかもしれません。

預貯金は遺産分割の対象となる


預貯金が遺産分割の対象となるか~従前の判例の変更


今回の裁判の要旨を紹介します。

共同相続された普通預金債権、通常貯金
債権及び定期貯金債権は、いずれも、
相続開始と同時に当然に相続分に応じて
分割されることはなく、遺産分割の対象と
なる


相続は、相続開始とともに相続分に応じて
分割されるのが原則です。


従前の判例は、預貯金債権の法的性質が
可分債権(相続開始と同時に相続分に当然
に分けられる)であることを前提
として
いました。


その上で

「預貯金等の可分債権は相続開始と同時に
当然に相続分に応じて分割され、各共同
相続人の分割単独債権となり、遺産分割の
対象とならない」

と判示されました。
(最三小判平成16年4月20日)


しかし、最高裁では、上記判例を変更し、
預貯金は遺産分割の対象となるとしました。


「預貯金は現金のように確実かつ簡単に
見積もることができ、遺産分割で調整に
使える財産になる
」と指摘しました。


そして、「預金者の死亡で口座の契約上の
地位は相続人全員で共有されており、
法定相続割合では当然には分割されない」


と結論付けました。


これによって、実務では大きな影響がでる
といわれています。


銀行等の金融機関ではどうなるのか?


平成28年12月19日以前は、
金融機関によっては、相続開始後の預貯金
の払い戻しは、遺産分割が終わっていない
とできなかったり、法定相続分であれば
払い戻ししたりと対応がまちまちでした。


しかし、上記判例が出たあとは、おそらく
遺産分割協議が終わっていなければ、
預貯金の払戻しはしてくれない

と思われます。


相続で争いがあれば、払戻しに時間がかかるかも?


相続財産が預貯金しかない場合、
遺産分割の対象になる以上、協議が終了
しない限り払戻しがされなくなります。


となると、もともと預貯金くらいしか
財産がなく、相続人間で争いがある
ときは、遺産分割の調停等の手続きを
しなければ、金融機関は預貯金の払戻し
しないでしょう。


そうなると、相続開始前に遺言を書くなど
事前対策がますます重要
になってきます。

まとめ


今回の預貯金が遺産分割の対象となるか
について、最高裁判所が従来の結論と
逆になりました。


この判例が出たことによって実務に
与える影響は大きいです。


こちらでも情報が分かり次第、
随時ご紹介します。


参考書籍

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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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