東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
相手方が金銭を支払ってくれないので、
返還を求めて訴えを起こしたい。
少額訴訟というのがあると聞いたのですが、
それが楽だと思うので・・・
最近、私の事務所にも、少額訴訟で裁判を
したいという方からの相談が多いです。
そもそも少額訴訟って何なのか、
そこから紐解く必要があります。
少額訴訟ってそもそもなんですか?
少額訴訟が提起できる要件は?
少額訴訟の要件は以下のとおりです
- 訴額が60万円以下の金銭の支払請求であること
- 同一の簡易裁判所において同一の年に10回までであること
- 利用回数について届け出のあること
- 少額訴訟を求める申述があること
以下注意点について書いていきます。
「金銭の支払い請求」について
少額訴訟の対象となるのは、金銭の支払を
求める事件、いわゆる給付訴訟が対象と
なります。
金銭債務の不存在確認請求事件や、
物の引渡し請求事件は対象になりません。
さらに、未払賃料等の支払とともに、
建物明渡請求をすることもありますが、
これも少額訴訟の対象にならず、
通常訴訟で行うことになります
少額訴訟のメリットは?
メリットとしては
- 一期日(1日)審理の原則により、簡易迅速に紛争の解決をすることが
できること- 被告が不出頭の場合、原告の請求が容認された場合には、
原告勝訴となり、仮執行宣言が付されるため、すぐに執行できること
少額訴訟のデメリットは?
少額訴訟のデメリットは、以下のとおりです。
- 原告が少額訴訟を提起したとしても、被告が通常訴訟へ
移行させる旨の申述をしたときは、そのときから少額訴訟ではなく
通常訴訟手続に移行
この場合は、一期日(1日)審理の原則は適用されなくなり、
期日が複数回になることも考えられるので、
迅速な解決につながらない場合もある。- 被告の所在が全く不明な場合は、少額訴訟は提起できない
(公示送達は適用されない)- 裁判所が被告の資力等を考慮して、遅延損害金の免除や
分割払いを認める判決をすることがあり、
この判決には不服を申し立てることはできない
少額訴訟にふさわしいか・ふさわしくないかをどう判断するか?
少額訴訟については、争点がほとんどなく、
比較的単純であることが望まれます。
さらに、期日が1回だけなので、
即時取り調べ可能な証拠の取り調べで
審理を遂げられる見込みが必要です。
また、被告が応訴することが考えられ、
各当事者への送達や事前準備が円滑に進む
ことが見込まれることが重要です。
なので、争点が複雑で、被告が非協力的
もしくは行方不明なものについては
少額訴訟にはふさわしくありません。
まとめ
少額訴訟については、額が少額だからと
いう理由で訴訟提起しないほうがいいです。
あくまでも被告が協力的で争点が少ない
もの、少額訴訟の要件と趣旨に合致する
必要があります。
個人的には、争いがある案件については
通常訴訟で行ったほうがいいと
思っています。
参考書籍
簡裁民事ハンドブック〈2〉少額訴訟編
近藤 基 民事法研究会 2011-12
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