目次
はじめに
こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
今回も最後までぜひお読みください。
今回は、ひとり株式会社の代表者の相続について「商業登記の登記手続き」の観点から見ていきます。
ひとり株式会社の増加の背景
最近、副業ブームにより個人事業主になる方が増えています。
本業の収入増加が見込めない中、副業で収入を得ようとする動きが活発化しており、副業関連の書籍も多く出版されています。
企業の中には副業を解禁し、むしろ推奨するところも増えています。
副業を法人化することについては、会社によって対応が異なりますが、認めている企業もあります。
今後もひとり会社(株式会社・合同会社)の設立は増加すると予想されます。
ひとり株式会社の問題点(相続の観点)
ひとり株式会社を設立する際、発起人、株主、取締役の役割を一人で担います。
会社設立後も、株主兼取締役として運営を続けますが、万が一代表者が亡くなった場合はどうなるでしょうか?
ひとり会社の場合、突然運営が成り立たなくなるリスクがあります。
会社を継続するか、解散するかは、相続人によって決める必要があります。
会社設立の際には、このようなリスクを理解しておくことが重要です。
代表者が亡くなったら商業登記の手続きを!
一番してはいけないことは、代表者が亡くなったから登記もしないで休眠状態にしてしまうことです。
「休眠届」を出せば、会社を経営せずにそのまま放置できますが、役員変更時の手続きの義務は残ります。
そのまま放置して、最後の登記から12年が経過すると過料が課され、負担が大きくなります。
そのまま会社を続けるのであれば「継続」の登記が必要になり、かえって費用も増えてしまいます。
代表者が亡くなったら、役員変更も含めて、会社をどうするのか相続人間で話し合うことが重要です。
会社をそのまま残していく場合の手続き
株式は相続人が相続します。
遺言や遺産分割協議で株式の承継者が決まっていない場合、相続人全員が法定相続分に従って「共有」することになります。
「共有」とは、1つの株式を複数の相続人が所有する状態を指し、不動産の共有と同じイメージです。
会社を継続させるためには、取締役がいない状態で株主総会を開催し、新たな取締役を選任する必要があります。
役員変更登記手続きの方法
登記手続きは「取締役・代表取締役の変更」を行います。
登録免許税は1万円(資本金の額が1億円を超える場合は3万円)です。
必要な添付書類は以下の通りです。
- 亡くなった方の死亡を証する書面(死亡の記載のある戸籍謄本や死亡届)
- 取締役選任決議を行った株主総会議事録
- 株主リスト
- 選任された取締役の就任承諾書(実印押印)
- 印鑑証明書(選任された取締役)
- 代表者が変わるため、印鑑届書(書面申請の場合は必須)
まとめ
代表取締役の死亡に伴い、個人の相続だけでなく役員変更の登記も必要となることを理解しておきましょう。
株式も財産であるため、評価によっては相続税がかかる場合もあります。
不明点があれば、司法書士や税理士などの専門家にご相談ください。
今回の内容が、皆様にとって少しでもお役に立てば幸いです。
詳細やお問い合わせは、当事務所までどうぞ。
当事務所のウェブサイトをチェック
今回は
『ひとり会社の相続問題を解決するための登記手続き完全ガイドを江戸川区の司法書士が解説』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
相続に関するブログはこちら