目次
はじめに
こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
今回は「遺留分」についてお話しします。
このテーマは生前相続対策でも非常に重要ですので、ぜひ最後まで御覧ください。
遺留分とは何か
遺留分とは、民法で定められた一定の相続人が最低限の遺産を受け取る権利のことです。
民法では、遺言で他の相続人や第三者に多くの財産を譲る場合でも、遺留分権利者がその最低限の権利を主張できるようになっています。
遺留分を侵害する遺言があったとしても、その遺言自体は有効です。
ただし、侵害された権利者はその侵害額の請求ができます。
遺留分権利者と遺留分の割合
遺留分権利者は、配偶者、子、子がいない場合は直系尊属(親など)です。兄弟姉妹には遺留分はありません。
遺留分の割合については以下のように決まっています。
- 直系尊属のみの場合: 遺留分=被相続人の財産×1/3
- それ以外の場合(配偶者のみ、子のみ、配偶者と子など): 遺留分=被相続人の財産×1/2
(具体例)
被相続人に配偶者と子2名がいる場合配偶者: 1/2(遺留分)×1/2(法定相続分)=1/4
子(2名): 1/2(遺留分)×1/2(法定相続分)×1/2(子が2名)=1/8ずつ
遺留分侵害額請求権
「遺留分侵害額請求権」とは、遺言や生前贈与によって遺留分を侵害された権利者が、侵害額に相当する金銭の支払いを請求できる権利です。
以下のポイントがあります。
- 請求期間の制限があります。相続の開始および遺留分の侵害を知った日から1年以内(消滅時効)、または相続開始から10年以内(除斥期間)に行使する必要があります。
- 贈与の取り扱いについて、相続開始前10年間の贈与が遺留分の算定基礎に含まれます。
- 事前放棄について、遺留分のある相続人は、家庭裁判所の許可を得て、相続開始前に遺留分を放棄することが可能です。
遺留分に配慮した生前相続対策
遺言者や贈与者が特定の人に財産を渡したくなくても、現行の民法では遺留分が保障されています。
遺留分を考慮した相続対策が必要です。以下の方法があります。
- 遺言書に付言事項を記載:遺留分を行使しないでほしい」と記載する
- 遺留分に配慮した財産の相続:相続人に適切な財産を配分する
- 生命保険の活用:保険金で遺留分を補填する。
- 家族信託(民事信託)の活用: 最近注目されていますが、内容によっては契約が無効になるリスクが伴うため十分な理解と準備が必要です。
なお、相続人が兄弟姉妹の場合で、財産をひとりに集中させて承継させたい場合は、遺言は必須となります。
まとめ
相続が始まると、家族間でも財産に関するトラブルが発生しやすくなります。
遺留分については、生前相続対策を行うことで、事前に問題を可視化し、適切な対策を講じることが可能です。
相続人の特定や財産の大まかな額を生前に調査することが、遺留分対策において非常に重要です。
確実かつスムーズな手続きを希望される方は、ぜひ当事務所の専門の司法書士にご相談ください。
詳細やお問い合わせは、当事務所までどうぞ。
今回は
『「遺留分」とは?家族のための相続対策ガイドイントを江戸川区の司法書士が解説』
に関する内容でした。
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