東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
2017年の登記統計が法務省のホームページで公開されています。
詳細は法務省【登記統計 統計表】を御覧ください。
私が注目しているのは法人設立数。
2017年も増加していました。
特に私が注目したのは合同会社の設立件数。
なぜ注目しているのか、他の法人はどうなのかも含め今回書いていきます。
法人設立数が増加中!複業の影響か?2017年の登記統計より
なぜ設立数が増加しているのか?
私は、会社設立登記の手続の簡素化が影響しているのはもちろん、もう一つ要因が。
それは複業・副業の影響。
これからの時代、本業と並行して自分の事業をやっていこうという方がますます増えていくでしょう。
現に株式会社、合同会社の設立登記の件数が昨年より増加しているのがその現れです。
合同会社の設立数が増加中!
では、実際にはどれだけ設立件数があるのでしょうか。
株式会社の設立件数は、91,379件で前年が90,405件なので、900件あまりの増加。
合同会社の設立件数は、27,270件で前年が23,787件なので3,500件あまりの増加。
ここで注目なのは、株式会社よりも合同会社の設立の増加件数が多いこと。
平成18年5月に登場した合同会社がだいぶ浸透しているといえるでしょう。
さらに、合同会社はスモールビジネスには最適な法人形態であるのも増加要因の一つでしょう。
設立時の定款認証が要らない、設立費用が安価、設立後も決算公告が不要、総会手続のコスト削減など株式会社にわざわざしなくてもいいと思っている起業家が合同会社を選択している結果だと思います。
私も法人化だけが目的であれば合同会社をおすすめします。
合同会社の場合は、定款の定め方が起業成功の一つの要因になるので、絶対に司法書士と相談して定款内容を決めることが大事です。
法務省の雛形定款や巷の書籍の合同会社設立の本だと条文数が足りません。
ちなみに、一般社団法人の設立件数は6,442件と前年が6,075件なので370件あまりの増加。
一般社団法人だと協会ビジネスが流行っているのでもっと増えていると思いましたが、案外少ないですね。
未だにある合名会社・合資会社の設立登記
合名会社や合資会社って聞いたことはありますか?
合名会社は社員全員が無限責任社員で、合資会社は無限責任社員と有限責任社員の両方が存在する会社です。
無限責任なので、何か会社に問題が起きた場合、社員も責任を負う必要があります。
ちなみに合同会社は社員全員が有限責任社員の会社です。
合名会社や合資会社、合同会社をあわせて会社法では持分会社といいます。
合名会社や合資会社は数が少ないですが存在しています。
ただ今の時代のニーズにはあっていない会社形態です。
なので、設立もないのではと思っていましたが、合名会社は104件で前年が92件で10件増加、合資会社でも58件の設立が昨年ありました。
私は未だに合名会社、合資会社の設立登記があるのにびっくりしました。
まとめ
これから副業・複業がますます浸透化するため、法人の設立登記件数はしばらくは増加するだろうと思っています。
特に合同会社は今後益々増えるでしょう。
合同会社は定款が命。
スモールビジネスで設立する際は、ぜひ司法書士を活用することをおすすめします。
今回は
『やはり合同会社の設立件数が増加中!2017年の登記統計より』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
これから個人で起業する時代、その当たりをブログで書きましたのであわせて御覧ください。
参考書籍
5つの定款モデルで自由自在 「合同会社」設立・運営のすべて 神﨑 満治郎 中央経済社 2014-08-26 売り上げランキング : 104645
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合同会社の法制度と税制〔第二版〕
金城 満珠男・酒井 健太郎・内田 光 税務経理協会 2015-09-18
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合同会社のモデル定款―利用目的別8類型―
江頭 憲治郎 商事法務 2016-05-25
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