役員変更登記 ひとり株式会社で商号が変わったときに議事録の押印で気をつけることは?江戸川区葛西の司法書士が書きます!
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
ひとり株式会社で取締役をオーナーチェンジする場合、あわせて商号も変える場合、株主総会議事録に押印する印鑑については注意が必要です。
今回は、役員変更登記に押印する印鑑について、商号変更が入った場合の注意点について触れていきます。
役員変更登記 ひとり株式会社で商号が変わったときに議事録の押印で気をつけることは?
ひとり株式会社の役員が変更した場合に議事録に押印する印鑑は?
ひとり株式会社の場合、非取締役会設置会社となります。
取締役を変更するため、就任承諾書には選任者の個人実印を押印する必要があります。
なお、就任承諾書につき議事録で「就任承諾した旨」を記載した場合、株主総会議事録に個人実印を押印する必要があります。
ひとり株式会社の場合 議事録に押印する印鑑について注意することは?
実は結構悩ましい問題は、議事録に押印する印鑑について。
取締役が1名の場合は、そのものは代表権を有しているので、商業登記規則61条6項の適用があります。
商業登記規則第61条6項
代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
一 株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合 議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑
(以下略)
つまり、議事録には、退任取締役が出席している場合は会社実印を押印したほうがいいということになります。
ひとり株式会社の場合、退任取締役と新任取締役が出席していることが多く、個人的見解ですが、退任取締役は法務局に届けている会社実印、新任取締役は個人実印を押印しておけば間違いはありません。
取締役交代と商号変更が同時にあった場合の株主総会議事録の押印
では、役員改選時に商号変更も同時に行いたい場合は議事録の押印はどうすればいいのでしょうか?
商号変更し、ひとり会社の取締役も交代するので、この場合は、印鑑届書が必要になります。
印鑑届書には、新商号の会社実印を押印して届けることが多いです。
そこで、株主総会議事録には、新商号の会社実印を押印する必要があるのでしょうか?
本来、議事録の押印については規定がないため、新商号の会社実印を押印すればいいと思われがちです。
今回は、代表権を有する取締役が変更することになるので、商業登記規則61条6項の適用があると考えます。
なので、退任取締役が出席していれば、退任取締役が届けている変更前の会社実印を押印する必要があります。
新任取締役は個人実印で押印しておけば問題ありません。
なので、役員変更登記とともに商号を変える場合は、退任取締役が出席していれば退任取締役が法務局に提出している旧商号の会社実印を、新任取締役は個人実印を押印しなければなりません。
もし、退任取締役が株主総会に出席していなければ、新任取締役の個人実印を押印しなければならず、新商号の会社実印ではダメということになります。
まとめ
役員変更と議事録の押印はややこしいことがあるので、注意です。
特に代表取締役を選定する場合は議事録の押印について商業登記規則61条6項の規定を確認しておくことをおすすめします。
今回は
『役員変更登記 ひとり株式会社で商号が変わったときに議事録の押印で気をつけることは?江戸川区葛西の司法書士が書きます!』
に関する内容でした。
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