役員変更登記 ひとり株式会社の場合の手続きの方法は?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
ひとり株式会社の役員変更登記。
最近、会社設立登記も自分で行う方が増えています。
となると、意外と忘れがちなのは、任期が満了しているのに役員変更登記を失念している場合。
今回は「ひとり株式会社」に的を絞って役員変更登記の手続きの方法を書きます。
フリーランスで法人化した方、これからしようとしている方はぜひ御覧ください。
役員変更登記 ひとり株式会社の場合の手続きの方法は?
役員変更登記を失念してしまうと…
ひとり株式会社で自分で会社設立登記をすると、自分の役員の任期が満了していることに気づかないことが多いです。
そして、あるときに、登記簿謄本や法人の印鑑証明書を取得するために窓口で謄本請求したら、印鑑証明書取得できないとか謄本に解散の登記が入っているとかに気づくのです。
そう、最後の登記から12年が経過し、一定の手続きを失念してしまうと、法務局でみなし解散の登記がされてしまいます。
解散登記が入っているので、現状できることは清算手続きのみとなってしまいます。
もし、まだ会社を続けたいのであれば、「継続」の登記をする必要がありますが、意外と手続きが面倒です。
そうならないためにも、役員の任期を把握することが重要になります。
ひとり株式会社のための役員変更登記
多くのひとり株式会社の役員の任期は、定款で「選任後10年以内の定時株主総会終結の時までとする」となっています。
例えば、平成22年4月1日に会社設立をし、任期を10年、決算期を3月、定時株主総会を事業年度末日の3ヶ月以内とすると定款で定めた会社があります。
その会社の取締役の任期満了時は、令和2年3月31日に関する定時株主総会終結の時までとなります。
なので、定時株主総会は毎年必ず開催する必要がありますので、任期満了のマックスは、令和2年6月30日となります。
ただし、法人税の申告は事業年度末日から2ヶ月以内となっています。
ということは、計算書類の承認が必要なので、多くのひとり株式会社は、5月末日までに定時株主総会を開く必要があり、その時までが任期満了となります。
その定時株主総会で役員改選決議をする必要があることをまずは押さえてください。
そして、改選決議の際は、自分を再任することになるので、その旨を決議して議事録に記載します。
ひとり株式会社であるので、定時株主総会の招集は省略して、自分の頭の中で総会を開いて議事録に残せば特段問題ありません。
場合によっては、みなし総会形式(会社法第319条)で行っても構いません。
役員変更登記で必要な書類は?
登記申請の際には議事録(代表印を押印)と株主総会で登記事項を決議したので株主リスト(代表印押印)が必要です。
あとは、就任承諾書を添付します。
就任承諾書は再任なので、認印で問題なく、印鑑証明書も不要です。
ただし、就任承諾書に住所の記載を忘れないようにしてください。
定款はひとり株式会社で役員が1名なので、原則はいりません。
ただし、議事録に「定款の規定により、本定時株主総会をもって任期が満了するので」という記載がない場合は、退任時期を証するため定款添付が必要となりますので、上記記載は忘れないようにしてください。
まとめ
ひとり株式会社の役員改選の手続きも意外とややこしいことがありますので、自分でやる時間がないときは、司法書士に依頼してやることをおすすめします。
今回は
『役員変更登記 ひとり株式会社の場合の手続きの方法は?』
に関する内容でした。
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参考書籍
商業登記ハンドブック第3版 | ||||
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