フリーランスの方の法人設立 取締役会は設けなければならないのか?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
フリーランスの方の法人化への道。
株式会社設立に際して、必ずいる機関は株主総会と取締役。
では取締役が複数いる場合、「取締役会」を置かないといけないのか疑問に思う方もいるでしょう。
今回は、「取締役会」のことについて書きます。
フリーランスの方の法人設立 取締役会は設けなければならないのか?
会社法上の取締役会とは?
会社法では「取締役会」の規定を設けています。
取締役会とは、全取締役で組織される合議体です。
取締役会は法定決議事項が会社法で定められており、会社法第362条で定められている他、株主総会の招集に関する事項など、数は多いです。
実務上では、取締役会規則により、取締役会決議の要否を決める具体的な基準を定めていることが多いです。
また、取締役会が監督権限を適切に行使できるようにするため、3ヶ月に1回以上、自分の職務の状況を報告することが必要とされています。
なので、取締役会は3ヶ月に1回は行う必要が出てきます。
取締役会は、取締役3名以上必要で、取締役会を選択すると原則監査役もつけないといけません。
なので、設立当初から4名役員を置かないといけないこととなり、人的側面からハードルが高くなります。
また、取締役会と監査役は定款の記載事項であり、登記事項でもあります。
取締役が複数いる場合 「取締役会」とは名のれないのか?
中小零細企業で取締役が複数いる場合、会社法上の取締役会にしたいのであれば、機関設計なり人的要因が必要となります。
ただ、会社法では正確ではありませんが、非取締役会設置会社で、取締役の会議体を構成することはできます。
株主総会で重要な事項を決定し、定款で取締役の業務執行の内容を取締役の過半数で決定する旨の定款を定めることができます。
取締役の合議で決めることの代表例として、代表取締役の選定があります。
定款で「代表取締役は取締役の互選で定める」と書いてあれば、取締役の一致で決めます。
これについては、会議体で話し合って決めてもいいですし、持ち回り決議みたいに決めても問題ありません。
「互選で代表取締役の選定が分かる」書面を添付すれば登記は受理されます。
ただし、互選書に押印する印鑑については、原則取締役は個人実印押印で印鑑証明書を添付しなければなりません。
例外として、代表取締役(取締役として残る者も含む)が法務局に届けている印鑑を互選書に押印していれば、残りの取締役は認印でいいです。
非取締役会設置会社では、取締役会をおくことはできませんが、会社内部でのお話し合いの側面で使用することは問題ありません。
まとめ
非取締役会設置会社では、取締役の話し合いは、会社法上での「取締役会」ではないことを押さえておいてください。、
今回は
『フリーランスの方の法人設立 取締役会は設けなければならないのか?』
に関する内容でした。
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会社法 第2版 | ||||
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