東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
司法書士受験生の方から質問がきました。
成年後見をひとりで受任する場合、年間で何人くらいが限界ですか?
おそらく、司法書士試験に合格して実務についたら成年後見分野で活躍されたい方なのでしょう。
今回はこの質問の内容にお答えします。
成年後見人案件 何人まで引き受けられますか?
これから成年後見案件は増えるのか?
質問に答える前に、今後成年後見分野がどう推移していくか?。
超高齢化社会が進み、認知症になったり、寝たきりの方も増えていくでしょう。
少子化や核家族化がすすみ、親族が後見人になるのも負担がかかり難しくなるでしょう。
そうなると、司法書士や弁護士、社会福祉士などの専門家が後見人となる、いわゆる専門職後見人の果たす役割が今後は増えてくるものと思われます。
この分野に関しては人とのコミュニケーションが大切な分野なので、AIが代わりにやるというのも難しいです。
登記業務の殆どはAIが代りにできても、後見業務については、データ作成などの日常業務以外は人が相手の業務なので、心配ないでしょう。
専門家後見人も問題が・・・
司法書士や弁護士、社会福祉士が専門職後見人となることで、被後見人やその家族も安心・・・
といいたいところですが、実は残念なことに、昨今専門職後見人が被後見人の財産から勝手に引き出し、横領する事態が出てきています。
最近では、新聞報道の影響からか専門職後見人に依頼したくない家族の方も多いのが現実です。
とはいっても、専門職後見人でもなり手が少ないのが現実で、今後どう対策をしなければいけないのか、私達も考えていかないといけない問題です。
なので、司法書士が後見人等になったら気を引き締めて業務をやらないといけません。
後見人は何人が限界なのか?
さて、前置きはこのくらいにして、司法書士が後見人になったとき、何人が限界なのか?
まず地域によって、後見人のなり手が少ないので、開業したらすぐ後見業務のしごとが舞い込む可能性が高いです。
特に地方では、それが顕著と言えるでしょう。とにかくなり手が少ないのです。
司法書士の場合、リーガルサポートに入会すれば、仕事のやり方から研修なり対応してくれ、いろいろサポートしてくれます。
なので、後見業務でわからないことがあれば、先輩方に相談しながら進めて行くといいでしょう。
特に後見業務は答えがあるわけではないので、被後見人それぞれに色々な課題があったりします。
以上から、私はひとりで抱える案件はせいぜい10件が限界のような気がします。
しかし、もっと多く受託している方もいますし、仕事のやり方を工夫すればもっと多くの件数を受託できるでしょう。
あなたの性格と仕事のやり方で受託件数を考えたほうがいいです。
ひとり後見人をやらないとイメージがつかないのですが、慣れればこんな業務をするのかと分かってきて、自分でこなせる量が把握できます。
もう一つ、報酬を受け取れるのは少なくとも後見開始の審判後1年経過した後なので、その間どう生活していくか考えることも大事です。
まとめ
成年後見業務はそれなりに大変ですが、やりがいのある業務の一つです。
ぜひ試験に早めに合格して、司法書士登録して後見業務に携わっていただきたいです。
今回は
『司法書士業務 成年後見人案件は何人まで引き受けられますか?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
これからは成年後見分野も予防法務が大事になると思っています。こちらのブログもあわせて御覧ください。
参考書籍
成年後見のことならこの1冊 (はじめの一歩)
堀川 末子 自由国民社 2017-07-27
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