東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
2023年がスタートしました。
今年から数年にわたり民法等の一部改正や不動産登記法が改正されます。
今年はいよいよ「相続登記申請義務化」に向けた動きが本格化することになります。
今回は、令和5年4月1日に改正が予定されている内容について紹介します。
法改正の背景 所有者不明土地対策の推進
昨今、相続登記が済んでいない土地の利用促進に際して、国も頭を痛めています。
相続登記が済んでいない土地は九州の面積にも匹敵するとまで言われています。
相続登記が済んでいないと、所有者の探索や公共事業や復興事業が円滑に進まないことが予想されます。
所有者不明土地問題は国としても喫緊の課題となっています。
今回の改正の目玉としては、「相続登記申請義務化」「相続登記国庫帰属制度」の他、民法においても土地利用の円滑化の観点から改正が入ります。
今回は、令和5年4月1日の改正点を紹介します。
民法の一部改正の主な改正項目
令和5年4月1日の主な改正項目は以下のとおりです。
・相隣関係の見直し
・共有の見直し
・財産管理制度の見直し
・相続制度(遺産分割)の見直し
以下、大まかに見ていきましょう。
改正内容その1 相隣関係の見直し
相隣関係については、以下の通りの見直しが行われます。
・隣地使用権(民法209条)
・ライフラインの設備の設置・使用権(新設)
・越境した竹木の枝の切取り(民法233条)
改正内容その2 共有物の見直し
共有物の見直しについては、「共有物の利用促進」と「共有関係の解消促進」の観点から改正が入ります。
共有物の利用促進の観点からの改正は以下のとおりです。
・共有物の変更・管理に関する見直し(民法第251条・252条)
・共有物の「管理」の範囲の拡大。明確化(民法251条)
・共有物を使用する共有者がいる場合のルール(民法249条)
・散歩を明らかにしない共有者がいる場合の管理(新設)
・所在者等不明共有者がいる場合の変更・管理(新設)
・共有物の管理者/共有の規定と遺産共有持分(新設)
共有関係の解消促進の観点からの改正は以下のとおりです。
・裁判による共有物分割(民法258条)
・所在等不明共有者の不動産の持分の取得(新設)
・所在等不明共有者の不動産の持分の譲渡(新設)
改正点その3 財産管理制度の見直し
今回、新たに「所有者不明土地・建物管理制度」・「管理不全土地・建物管理制度」が民法で創設されます。
更には従来の「不在者財産管理制度」と新たに創設される「所有者不明土地管理制度」と「不全土地管理制度」の相互関係も整理されます。
更には既存の財産管理制度の見直しも行われ、相続人不存在の相続財産の清算手続の見直しをはじめ、財産管理制度に関するその他の見直しも行われます。
改正点その4 相続制度(遺産分割)の見直し
こちらに関しては、以下の内容が見直されます
・遺産分割に関する見直し(新設)
・具体的相続分による遺産分割の時的限界(新設)
・遺産共有と通常共有が併存している場合の特則(新設)
・不明相続人の不動産の持分取得・譲渡(新設)
まとめ
令和5年4月1日の民法等一部改正は、所有者不明土地問題の解決の一助となるものです。
細かくは紹介できませんでしたが、共有関係、相隣関係、財産管理制度の整備、遺産分割の見直しなど色々変わるところがあるので注意です。
今回は
『令和5年4月1日に民法等の一部が改正されます その内容を江戸川区の司法書士・行政書士が解説』
に関する内容でした。
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