再婚家庭(ステップファミリー)の相続問題。「今の妻」と「前妻の子」の争いを防ぐ司法書士の生存戦略

東京都江戸川区船堀「司法書士・行政書士きりがや事務所」司法書士・行政書士「資格合格逆算メソッド」著者桐ケ谷淳一(@kirijunshisho)です。

はじめに

「自分がいなくなった後、今の家族は大丈夫だろうか?」 幸せな再婚生活を送っている方ほど、意識から外してしまいがちなのが「過去の家族(前妻との間の子)」との相続問題です。

司法書士として多くの現場に立ち会ってきた私が断言します。

再婚家庭において、何の準備もせずに亡くなることは、「今の奥様」と「会ったこともない前妻の子」を、お金をめぐって同じリングに上げることと同じです。

今回は、ステップファミリーが直面する残酷な現実と、それを乗り越えるための具体的な準備について解説します。

1. 法律は「今の幸せ」を知らない

日本の法律には、今のあなたの愛の深さや、これまでの苦労を考慮する仕組みはありません。

  • 今の奥様: 常に相続人になります。

  • 前妻との間の子: 何年会っていなくても、今の奥様との間の子と「全く同じ強さ」の相続権を持ちます。

たとえ、今の奥様が献身的にあなたを支え、前妻の子が一度も顔を見せなかったとしても、法律は彼らに「財産を分ける権利」を平等に与えてしまうのです。

2. 「ハンコ代、いくら出すの?」窓口で立ち往生する今の妻

遺言書がない場合、奥様は葬儀の片付けで疲弊している中、銀行でこう告げられます。

「相続人全員のハンコが必要です。前妻さんとの間のお子さんの印鑑証明書を持ってきてください」

奥様は、面識のない相手を探し出し、頭を下げて「ハンコをください」とお願いしなければなりません。

「私の取り分は、現金でもらえるんですよね?」 もし相手からそう言われ、手元に現金がなければ、奥様は住み慣れた家を売却して支払うしかなくなります。これが相続の現場で起きている「地獄」の正体です。

3. 【実戦編】今の家族を守り抜く「最強の盾」を手に入れる

では、どうすれば愛する人を守れるのでしょうか? その答えは、法的に無敵な「遺言書」を作成し、手続きから前妻の子を完全に切り離すことです。

しかし、ただ「妻に全部」と書くだけでは不十分です。

  • 遺言執行者を指定して、奥様一人で銀行解約ができるようにする

  • 子どもの権利である「遺留分(いりゅうぶん)」にどう配慮するか

  • 相手の感情を逆なでせず、納得させる「メッセージ(付言事項)」をどう添えるか

これらには、司法書士ならではの「実務のコツ」があります。

最後に:司法書士・桐ヶ谷からのメッセージ

再婚家庭の相続対策は、決して「後ろ向きな準備」ではありません。 大切な奥様を過去のしがらみから守る、あなたにしかできない「最後のラブレター」です。

また、具体的な税金(相続税や贈与税)の計算については、必ず信頼できる税理士に相談することをお勧めします。

権利は司法書士、お金は税理士。この連携こそが、家族を守る最強の布陣になります。

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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。