辞任届に記載されている住所や氏名と登記事項証明書に記載されている住所・氏名が異なる場合はどうすればいいか?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 鉄道大好き司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
株式会社の代表取締役や特例有限会社の取締役が辞任する場合、辞任届に住所を記載することがあります。
そのときに、住所が登記事項証明書と異なる場合どうすればいいのか?
また、氏名が異なっていることもたまにあります。
今回はこれらのことにつき、私見を交えて紹介します。
辞任届に記載されている住所や氏名と登記事項証明書に記載されている住所・氏名が異なる場合はどうすればいいか?
そもそも登記事項証明書に住所が記載される場合は?
登記事項証明書の「役員に関する事項」につき、住所が記載される役職を確認しておきましょう。
- 株式会社の代表取締役
- 特例有限会社の取締役・監査役
- 合同会社の代表社員
これらの者に住所の変更があったときは、住所変更登記が必要となります。
ずっと放置してしまうと、過料の対象になるリスクもあるので、住所変更があったら速やかに行いましょう。
なお「役員に関する事項」で氏名は登記事項となっているので、辞任届するときにはちょっと注意が必要です。
辞任届と登記事項証明書の住所・氏名が異なっている場合、どうすればいいか?
代表取締役や特例有限会社の取締役が辞任する場合、辞任届を添付します。
基本、実務では辞任の意思があることを明白にさせるため、自署させることが多いです。
その自署してもらった住所と登記事項証明書に記載されている住所が違う場合、登記申請は受理されるでしょうか。
結論から書くと、受理されないリスクが高いです。
登記事項と辞任届の内容が一致しないと法務局では判断されてしまうからです。
その場合はどうすればいいか?
仕方ないので、住所変更登記と辞任登記を行うことになります。
氏名の場合も注意が必要で、婚姻して氏が変わっているにも関わらず、辞任届と登記事項証明書の氏が違う場合も、辞任登記は受理されないと思われます。
氏の変更登記をした上で辞任登記をすることになります。
住所変更登記と氏名変更の登記に何か添付は必要か?
氏名変更もしくは住所変更登記で法務局に何か添付書面を出す必要があるのでしょうか?
これらの登記申請の際には、添付書面は不要です。
実務の場合は、変更日付や経緯を知るため、コピーの用意をしてもらいます。
なお、これらの登記と辞任登記を同時に申請する場合、登録免許税は1万円となります。
まとめ
意外と住所変更登記を失念している方が多いので、注意してください。
また氏名変更登記も失念しがちなので合わせて確認してください。
今回は
『辞任届に記載されている住所や氏名と登記事項証明書に記載されている住所・氏名が異なる場合はどうすればいいか?』
に関する内容でした。
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