ひとり株式会社から取締役を増加するとき気をつけたいことは?株式の譲渡も含めて
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
ひとり株式会社であれば、自分で身軽に動くことができるので、意思決定も早くすすめることができます。
しかし、会社で従業員とか雇ったり、自分の片腕で活躍してくれる人がいて、その人を取締役にしたいという人もいるでしょう。
その際に注意しなければならないことを書きます。
ひとり株式会社から取締役を増加するときどこに注意すべきか?
取締役を選任するためには株主総会の決議を!
取締役として、会社の経営に参画させたい人が出た場合、どうすればいいのか。
取締役の選任は株主総会の決議で行います。
だいたい株主は自分だけなので、すぐに決めることができるでしょう。
選任して、その者が就任承諾をして、晴れて取締役として会社の運営に携わることができます。
非取締役会設置会社の取締役の選任の際には、その者の印鑑証明書が必要です。
取締役が1名増えたのだから、代表取締役に関する登記が必要ではないのかという疑問があるでしょう。
定款で、「取締役が2名以上いたら、代表取締役を1名以上選定し」となっていた場合、定款の規定に基づいて代表取締役に関する選任手続をしておくのが無難です。
ただし、登記申請に際して代表取締役が従前のままであれば、代表取締役については改めて「退任」「就任」の登記をする必要はなく、代表取締役に関する登記は不要です。
追加で選任された取締役の任期はいつまでか?
多くの会社では、増員取締役の任期は、在任取締役の任期の満了時までとなっている会社が多いです。
なので、新しく選任された取締役は、任期短縮の規定が適用される場合があります。
本来の任期が10年だった場合、任期が8年だったり短くなることもあります。
役員改選時に注意してください。
あと、取締役の任期がやたら長い場合、任期満了退任以外で辞める方法が「辞任」「解任」しか基本はありません。
選任された人が取締役として不適格であった場合、ずっと残しておくと会社の経営にも影響が出てきます。
なので、取締役の任期に関する規定もこの時期に見直すこともありかと思います。
もしくは、選任された取締役のみ任期を短くするとか対策を講じておくべきです。
取締役の退任で揉めてしまうと会社の経営にも影響が出てしまいます。
株式を新しい取締役に渡す場合
例えば、取締役に対し、株式を渡す場合、売買で行うか、贈与で行うかは税務上の問題もあるので、慎重に判断してください。
手続的には、株式を単純に渡すだけではダメです。
株式譲渡制限のある会社では、定款の規定に従って所定の手続きを行う必要があります。
株主総会であれば、株主総会で譲渡承認決議をすればいいです。
株式の譲渡については、発行済株式総数の数が変わるわけではないので、登記は不要です。
ただし、株主名簿の内容が変わるので、株主名簿の記載事項の変更は忘れないようにしてください。
まとめ
新しい取締役を選任したい場合、定款で取締役の任期もどうするかは確認しておくことが重要です。
株式を譲渡する場合も、会社を辞めたら戻してもらうなど、通常の手続き以外にも対策を講じておくといいです。
今回は
『ひとり株式会社から取締役を増加するとき気をつけたいことは?株式の譲渡も含めて』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
ひとり株式会社についてはこちらのブログも合わせて御覧ください。
参考書籍
司法書士が“ここだけは”税理士に伝えたい中小企業における株主・役員の法務Q&A | ||||
|