新型コロナ対策でコスト削減!事務所を移転するときになにか登記は必要なのか?
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
新型コロナ対策で在宅ワークが多くなった。本店登録している事務所だと大きすぎるので、狭いスペースに移転させたい。
なにか登記手続きは必要なのか?(経営者からの質問)
新型コロナ対策で事務所を狭くしたりする会社が結構増えています。
事務所を本店所在地としている場合、なにか変更登記をしなければならないかを紹介します。
本店移転の登記は簡単で、業者が添付書面を作ってしまうサービスもあるようです。
しかし、手続を間違っている会社が散見されますので注意してください。
新型コロナ対策で本店を移転したい場合の手続は?
本店移転する場合に注意すべきことは?
ある会社の本店移転の事例を紹介します。
あるフロアの広い場所を本店として登記していました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で在宅ワークが増え、大きいフロアは不要となった。
家賃のことを考え、コスト削減のため狭いスペースの場所に本店移転した場合をあげます。
まずは、本店の定義ですが、実際に業務を行うところを本店所在地としなければならず、独立した事務所であることを要します。
なので、今回の事例の場合は、本店移転登記をする必要があります。
コワーキングスペースを本店所在地にできるかという問題があります。
コワーキングスペースだと、独立した事務所といえないこともあり、金融機関の銀行口座を開設できないこともあります。
なので、コワーキングスペースを本店所在地にしたい場合は金融機関に確認した上で行ってください。
個人的にはコワーキングスペースを本店所在地にすべきでないという考えです。
本店移転実体上の手続きはどうすればいいか?
まずはあなたの会社の定款を確認してください。
例えば定款の規定で「本店は東京都渋谷区に置く」となっている場合、渋谷区内に本店移転する場合、取締役会の決議(非取締役会設置会社の場合は取締役の決議)で行います。
ただし、同じ渋谷区内の移転であっても、定款に具体的所在場所(例えば「渋谷区渋谷一丁目2番3号」に置く」と規定されている)まで記載されている場合は定款変更が必要です。
渋谷区以外のところに移転する場合も、定款変更を要するため、株主総会で定款変更の決議が必要です。
株主総会で本店に関する定款変更決議をし、具体的所在場所は取締役会(非取締役会設置会社の場合は取締役の決議)で行います。
本店移転登記申請はどのように行うのか?
ここが最近ややこしいところで、例えば、違う行政区画内に移転であっても、管轄法務局が同じの場合は、申請書1通ですることができます。
登録免許税は3万円で済みます。
しかし、管轄の異なる法務局への本店移転の場合は、登記申請書を旧管轄分と新管轄分2通を用意し、旧管轄の法務局に登記申請を行います。
登録免許税は旧管轄分3万円と新管轄分3万円、合計6万円必要となります。
添付書面は、以下のとおりです。
・本店の具体的所在場所を決議した取締役会議事録
・管轄外の本店移転の場合は印鑑届書(印鑑証明書は不要)
まとめ
本店移転登記は簡単なようで難しい側面もあります。
定款の記載次第で手続が大きく変わりますので、まずはあなたの会社の定款を確認してください。
今回は
『新型コロナ対策で本店を移転したい場合の手続は?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
中小零細企業に関するブログはこちら
参考書籍
商業登記ハンドブック第3版 | ||||
|