東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
「法務局に自分の会社の登記簿謄本を取得しに行きましたが、取れませんでした」
経営者から質問を受けました。
折角法務局まで足を運んでも、登記事項証明書を取得できないことがあります。
なぜでしょうか?
商業登記を申請していると、ロックがかかってしまう
なぜ、登記事項証明書を取得することができないのか?
それは、あなたの会社で役員変更などの変更登記を申請しているからです。
登記申請を法務局で受け付けると、その会社の情報がロックされます。
そして、登記申請された添付書面と登記内容を確認し、問題なければ変更事項を記入して、そして最後に確認してロックが解除されます。
ロックされている状態では、いかなる場合でも登記事項証明書を取得することができないので注意してください。
登記申請してから完了するまでどのくらいかかるのか?
では、商業登記を申請してから登記が完了するまでどのくらい時間がかかるのでしょうか?
商業登記の申請時期の繁忙期にもよりますが、だいたい1週間程度かかると思ってください。
なお、登記申請の際、不備があったりして補正になってしまうと、登記が完了するまでにさらに時間がかかってしまいます。
補正対応が終わらないと、いつまで経っても登記事項証明書を取得することができません。
自分で商業登記の申請をする時間がなければ、司法書士に依頼することをオススメします。
さて、登記を申請してから契約等で登記事項証明書が必要であれば、相手方に事情を説明した上で以下の対応をするようにしてください。
- 登記申請前に登記事項証明書を必要通数確保しておく。
- 契約締結時には、変更前の登記事項証明書を契約に際して利用する。
- そして、登記が完了したら、変更後の登記事項証明書を追完する。
契約締結の際、最新の登記事項証明書が必要になることが多いので、契約時期に商業登記を申請する場合は、完了時期も踏まえて対応するようにしてください。
特に契約の相手がいることなので、現在こういう登記を出しているので時間がかかっている旨の説明は必要でしょう。
本店移転登記はさらに登記完了までに時間がかかります
通常の商業登記は完了までに1週間程度、会社設立の場合は3日以内で登記事項証明書を取得できます。
しかし、会社の管轄外の本店移転だとさらに時間がかかります。なぜでしょうか?
登記申請の方法は、変更前の本店所在地宛ての申請書並びに変更後の本店所在地宛ての申請書(代理人に申請を委任した場合は委任状も)及び印鑑届書を、同時に、変更前の本店所在地の登記所に提出します。
そして変更前の法務局で審査をし、そのデータを変更後の法務局に送付します。
そして変更後の法務局で審査をし、登記が完了になります。
本店移転の変更前の法務局で審査期間で1週間、変更後の法務局で審査期間で1週間、合計2週間程度かかります。
本店移転が絡む場合で、他の事情で登記事項証明書が必要になる場合は通常よりロックされる期間が長いので注意してください。
まとめ
まず、登記申請すると、その会社のデータはロックされ、登記事項証明書は取得できなくなります。
その期間は1週間程度。
管轄外の本店移転が絡むとさらに1週間かかると思ってください。
契約等で登記事項証明書が必要な場合は、変更登記などを申請するかも含めスケジュール管理してください。
今回は
『法務局で会社の登記事項証明書を取得できませんでした!なぜですか?』
に関する内容でした。
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不動産登記でも商業登記でも登記申請後すぐに登記事項証明書を取得できない理由を紹介しています。こちらも御覧ください。
登記簿謄本 法務局に登記を申請したらその日のうちに取得できるの?
参考書籍
商業登記ハンドブック第3版
松井信憲 商事法務 2015年05月20日
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