こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える「相続」に特化した事務所、司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirijunshoshi)です。
目次
はじめに:ひとり会社でも“遺す”視点を
副業やフリーランスから始めた仕事が軌道に乗り、「法人化」する人が増えています。
法人にすることで信用も高まり、ビジネスも発展しやすくなります。
でも、ここで忘れてはいけないのが「会社をどう残すか」「誰が引き継ぐか」という視点です。
今回は、“あやとり普及”を使命とした合同会社を経営するのび太くんを例に考えてみましょう。
そして、そんなとき司法書士がどのようにお手伝いできるのかもご紹介します。

のび太がつくった「あやとり普及合同会社」
のび太くんは子どもの頃からあやとりが得意。
その特技を活かして、大人になってから「あやとり普及合同会社」を設立しました。
学校や高齢者施設での講習会、オンライン講座、あやとりの解説書の出版など、事業は順調に広がります。
収益は少しずつ安定し、YouTubeのチャンネル登録者も増えていきました。
まさに、“あやとり”を通して社会に貢献する立派な「ひとり会社」が出来上がったのです。
この時点でのび太の会社は、単なる活動ではなく「価値ある資産」として成立していました。
法人は“資産”になる──だからこそ引き継ぎが必要
個人事業の場合は、その人が活動できなくなれば、すべてが止まってしまいます。
しかし法人であれば、会社名義で契約し、口座を持ち、著作権も法人に帰属できます。
つまり、代表者が変わっても、事業自体は続けることができるのです。
たとえば、のび太の志を受け継いだしずかちゃんが、法人の代表として活動を継続することも可能です。
また、後輩のあやとりクリエイターに「代表のバトン」を渡すことで、のび太が第一線を退いても会社は社会に貢献し続けることができます。
このように、法人は“残せる資産”として、次の世代に引き継ぐことが可能なのです。
でも、もしのび太が突然亡くなったら?
ここで現実的な場面を想像してみましょう。
のび太がしずかちゃんと結婚し、代表として会社を運営していたある日、突然の事故が起きたとします。
そのとき、のび太が持っていた合同会社の出資持分(≒株式)は「相続財産」となります。
相続人はしずかちゃん(配偶者)と、のび太の両親です。
この3人で、会社を誰がどう引き継ぐかを話し合わなければならなくなります。しずかちゃんがそのまま代表を続けたくても、親族と意見が合わなければ、承継が滞ってしまいます。
登記がされないと契約の更新ができなかったり、銀行口座が凍結されたままになることも。
つまり、「準備していなかった」が原因で、せっかくの事業が止まってしまう可能性があるのです。
合同会社の場合、事業承継を考えるうえでも設立段階から注意しなければいけないのです。
事業承継で司法書士ができることの代表例
司法書士は、法人の登記や相続に関する手続きの専門家です。
のび太のようなひとり法人がスムーズに事業を残すために、次のような支援が可能です。
● 代表者が亡くなった場合の「変更登記」
会社の代表が不在になったときは、速やかに新代表を登記する必要があります。
登記を怠ると、会社としての信用を失い、事業継続が難しくなります。
● 出資持分(株式)の相続サポート
遺言がない場合、出資持分は相続人全員の共有状態となり、意思決定が困難になります。
あらかじめ「誰に譲るか」を決めておくことが重要です。
● 遺言書の作成支援(自筆証書+保管制度)
法務局で保管できる自筆証書遺言は、費用も安く、簡単にスタートできます。
会社の後継者や財産の分け方を明記することで、家族のトラブルを防げます。
まとめ:会社は“自分の想い”を乗せられる器
のび太にとって「あやとり」は、ただの趣味ではなく、社会に伝えたい大切な文化でした。
その想いを託す器として、法人は非常に有効な手段です。
でも、それを誰かにバトンとして渡すためには「仕組み」が必要です。
そして、その仕組みづくりをお手伝いできるのが司法書士です。
あやとりを未来に伝えるように、あなたの事業も誰かに伝える準備をしてみませんか?
会社はあなたの「志」を次世代に届ける手段にもなるのです。
ご相談はお気軽に
司法書士・行政書士きりがや事務所では、法人設立から相続・承継の準備まで、安心して相談できる体制を整えています。
「まだ先のことだけど…」「こんな小さな会社でもいいの?」という方こそ、お気軽にご相談ください。丁寧に対応させていただきます。