【2026年度創設予定】中小企業M&A仲介の新資格とは?司法書士との違いと、経営者が知っておくべき「登記の落とし穴」

はじめに:M&A新資格と司法書士の関係

先日、政府が中小企業M&Aの仲介に新たな国家資格制度を創設する方針を発表しました。

本記事では、この新資格の概要と、司法書士との役割の違い、そして経営者が知っておくべき「M&A成立後の登記手続き」について解説します。

1. 新資格の概要

中小企業庁は中小企業のM&Aを手掛けるアドバイザー資格を2026年度にも創設する。仲介者に財務や法務の知識と実務能力を求める方針です。

試験科目として想定されているのは以下の通りです:

  • M&A実務(スキーム・進め方・リスク対応)
  • 財務・税務
  • バリュエーション・デューデリジェンス
  • 法務(民法・会社法・労働法)
  • 行動規範・倫理

2. 新資格者にできないこと:登記

どれだけM&Aの知識があっても、新資格者には登記申請の代理ができません。

M&A成立後に必ず発生する登記手続きには、以下のものがあります:

株式譲渡の場合:

  • 役員変更登記
  • 商号・目的変更登記

事業譲渡の場合:

  • 不動産の所有権移転登記
  • 抵当権の抹消・設定

組織再編の場合:

  • 合併・分割登記
  • 増資・減資の登記

これらはすべて司法書士・弁護士の独占業務です。

3. 新資格者と司法書士の役割の違い

業務 新資格者 司法書士
マッチング・仲介
交渉支援
デューデリジェンス補助
登記申請の代理
定款変更・組織再編登記
不動産移転登記

新資格者と司法書士は「ライバルではなく補完関係」です。

政府の公式文書にも中小M&A支援人材は士業専門家(弁護士、司法書士等)と適切に連携しながら支援する役割を担っていると明記されています。

4. 経営者が今すぐやるべきこと

① 自社の登記事項証明書を取得する

法務局で600円で取得できます。M&A時に必ず確認される書類です。

現状を把握しておくことで、M&A成立後の手続きがスムーズになります。

② 専門家チームを事前に構築する

M&Aには、仲介者・税理士・弁護士・司法書士のチームが必要です。

M&A発生後に慌てて探すのではなく、事前に連携体制を作っておくことをお勧めします。

まとめ

  • 2026年度、中小企業M&A仲介に新資格が創設予定
  • 新資格者はマッチング・交渉・DDを担うが、登記はできない
  • 登記は司法書士の独占業務(代替不可)
  • 新資格者と司法書士は補完関係
  • 経営者は今すぐ「登記簿確認」と「専門家チーム構築」を

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する法的助言ではありません。

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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。