こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える「相続」に特化した事務所、司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirijunshoshi)です。
目次
はじめに:親の老いに気づいたときがチャンスです
最近、親の物忘れが増えた気がする
相続のことを聞きたいけど、どう切り出していいかわからない
そんな風に思いながら、なにも手をつけられない方、多いのではないでしょうか。
相続のことを話すのは、確かに気が重いものです。
でも──親が認知症になってからでは、手遅れになることもあるんです。
今回は、司法書士・行政書士目線で「今、動き出さないと将来困る理由」と「今からできる準備」をわかりやすくお伝えします。

認知症になってしまったら、相続どころじゃない
親が認知症になると、財産を動かすことがほぼできなくなります。
たとえば──
- 預金を引き出すことができない
- 不動産を売却できない
- 遺言書を作ることもできない
つまり、相続の準備どころか、生活や介護のためのお金さえ自由に使えなくなるという現実が待っています。
そして、認知症になったあとにできることは、かなり限られます。
認知症の親の代わりに手続きをする方法はあるの?
「成年後見制度」を使えば、認知症の親の代わりに手続きをすることは可能です。
でもこの制度、思った以上に大変です。
成年後見制度の現実
- 家庭裁判所に申し立てが必要
- 後見人にかかる報酬(年間数万円?十数万円)
- 財産の使い道はすべて報告義務あり
- 原則、死ぬまで制度が続く
本人を守るための制度ですが、家族にとっては縛りが強く、柔軟な対応ができません。
家族信託という選択肢
そこで最近注目されているのが「家族信託」です。
親が元気なうちに、財産の管理や処分を信頼できる子どもに託しておく制度です。
たとえば──
「親が自宅を子どもに管理させたい」
「将来施設に入ったときに、自宅を売って費用にあてたい」
こんな希望がある場合、家族信託ならスムーズに実現できます。
しかも、成年後見よりも自由度が高く、家族間で設計できるのが魅力です。
遺言書も忘れてはいけません
もう一つ大事なのが「遺言書」です。
家族信託が“今後の財産管理”のためなら、遺言書は“亡くなった後の財産の分け方”を決めるものです。
特に遺言書が効果的なケース
- 子どもたちが複数いて、仲が微妙
- 不動産しか財産がない
- 特定の人に多く残したい希望がある
遺言書がなければ、相続人全員で話し合って決めなければならず、揉める原因にもなります。

まとめ:親が元気な今こそ、3つの対策を
相続の準備は、「親が元気なうちに」が鉄則です。
今回ご紹介した対策を、あらためて整理しましょう。
対策① 家族信託で“認知症のリスク”に備える
親が認知症になると、財産の凍結リスクが現実のものに。
信頼できる家族に財産管理を託しておくことで、柔軟な対応が可能になります。
対策② 遺言書で“相続トラブル”を防ぐ
遺言書があれば、相続人全員が話し合わずとも、故人の意思を尊重した分け方ができます。
将来の揉め事を未然に防げる、大切なツールです。
対策③ 司法書士への早めの相談が“最短ルート”
家族信託も遺言も、制度を理解して正しく使うことが大切です。
「どれが自分の家庭に合っているか」を一緒に考えるのが、私たち司法書士の役目です。
相続の話は、元気なうちにしかできません。
認知症になってからでは、もう家族信託も遺言書も作れなくなります。
「まだ元気だから、今は大丈夫」では遅い
「話しづらいから、また今度」もチャンスを逃します
不安や迷いがあればまずご相談ください。
あなたの状況に合った解決策をご提案いたします。
今回は
『親が認知症になる前に!司法書士が教える「今やるべき相続対策3選」』
に関する内容でした。
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