東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
「監査役」は単なるお飾り・・・
と思っている中小零細企業の経営者は思っていませんか?
特に平成18年会社法改正前の株式会社では、監査役は必須だったので、帳尻合わせで誰か家族を監査役にしていませんか?
今の時代にこれをやっていると、いくら中小零細企業であってもコンプライアンスの観点からまずいことになります。
なぜそうなのか、その疑問にお答えします!
小さな会社の法務 監査役の果たす役割をご存知ですか?
監査役の果たす役割は何か?
監査役は、各自単独で監査役の職務権限を有し、義務を負います。
監査役の職務として
- 取締役会への出席義務と意見陳述義務
- 取締役会の招集権限
- 子会社に対して事業報告を求める権限
- 取締役の違法行為の差止請求権
があります。
監査役は取締役が行っている職務を注視し、何かあった場合は取締役の行為を止めされる、大事な役割を果たしているのです。
まずは監査役の役割は何かを理解してください。
中小零細企業の監査役の果たす役割は?
まず監査役の役割は何かを理解していただけたでしょうか。
しかし、小会社の監査役は通常の監査役の職務を全うするのは難しい。
ということで、会社法施行前の資本金1億円以下の監査役は、会計監査のみ行うものと商法特例法で定められていました。
通常の監査役の権限のうち
- 取締役会への出席義務と意見陳述義務
- 取締役会の招集権限
- 子会社に対する会計以外の報告徴収権
- 取締役の違法行為の差止請求権
は会計監査のみを行う監査役には適用されません。
注意していただきたいのは、会計監査のみの権限を有する監査役は、取締役会への出席義務はありませんが、任意に取締役会へ出席することは可能であること。
取締役会に出席した以上は、会計監査のみを行う監査役にも議事録に署名もしくは記名押印をする義務が生じます。
なので、会計監査のみを行う監査役であっても会計に関するものについては権限がある以上、会計に関する職務を全うしなければ当然に責任義務を負うのです。
会計知識に強い方を監査役に置くのであれば問題ないですが、家族経営で単なる帳尻合わせの人を監査役にするのは、大きなトラブルのもとです。
なお、平成18年以前に監査役があった株式会社は、自動的に監査役設置会社となり、資本金1億円以下の場合は、監査役の権限は会計監査のみを有すると定款で定めがあるとみなされています。
この会社コンプライアンスしっかりしているかみられている
平成27年5月1日から会計監査のみを行う監査役がいる場合には、その旨が登記事項となりました。
登記がされていなければ、通常の監査役の権限が、会計限定の旨の登記がされていれば会計限定しかない監査役が置かれていると登記簿で見ることができます。
裏を返せば、会計限定の旨の登記の有無にかかわらず本当にこの会社コンプライアンス大丈夫かチェックされることになります。
全く監査役が機能していなければ、監査役をなくすことも考える必要があるのです。
まとめ
監査役の果たす役割は年々増しています。
会計監査のみを行う場合でも同様です。
もしあなたの会社で、監査役がいる場合、きちんと機能しているか確認してください。
今回は
『小さな会社の法務 監査役の果たす役割をご存知ですか?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
取締役会を廃止したり、監査役を廃止したりする費用はどのくらいか こちらのブログも合わせて御覧ください。
参考書籍
商業登記ハンドブック〔第3版〕
松井 信憲 商事法務 2015-05-20
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中小企業の戦略的会社法務と登記
今川嘉文 中央経済社 2016-09-24
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