東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
最近会社設立で聞かれることで、結構多いのが、資本金の払込みについてです。
「資本金の額を銀行口座に入れないとの
ことですが、誰の口座に入金する必要が
ありますか?」
今回は資本金の払込の方法や払込があったことを証する書面のことについて書きます。
会社設立 資本金を払い込む銀行口座は誰の口座に振り込めばいいのか?
会社設立登記では払込みがあったことを証する書面が必要
「払込みがあったことを証する書面」とは何か?
あなたは疑問に思うでしょう。
資本金を発起人の口座に入金し、通帳の写しを綴した書類が発起設立の際に添付書面となります。
それが「払込みがあったことを証する書面」です。
会社法施行前までは、銀行に出向いて払込金保管証明書を用意する必要がありました。
この書類を手配するのに数週間を要し、会社設立行為に時間がかかる要因の一つとなりました。
その時代と比べると会社設立は本当に簡単になりました。
なお、ほとんどの会社設立は発起設立なので口座に入金すれば問題ないですが、募集設立の場合は、払込金保管証明書が必要なので注意してください。
会社設立の際資本金を誰の口座に入金すればいいのか?
会社設立の際、資本金を誰の口座に入金すればいいのか?発起人?設立時取締役?それとも・・・
答えは、原則発起人の口座に資本金を入金します。
ここで、「発起人が自分だけしかいない場合、口座の残高で別に入金しなくてもいいのではないか」という質問をよく受けます。
しかし、実際に資本金が入金してある事実がないと払込があったことにはなりません。
なので、残高が資本金を満たしていても払込があったことにはなりません。
ちなみに銀行の残高証明書も払込みがあったことを証する書面になりません。
よくひとり会社の経営者の方が上記の質問を受けることが多いです。
そこで私は「面倒ですが、一度資本金に相当する金額を引き出し、再度入金してください」と言っています。
結局資本金の残額があっただけでは足りず、発起人から入金した事実があってはじめて払込の事実があったことになります。
「払込みがあったことを証する書面」の作成方法は?
入金した部分が分かる通帳の写しと通帳の表面と裏表紙と代表者がその事実を証明した書面を合綴します。
そして、会社実印で押印・契印したものが「払込みがあったことを証する書面」となります。
さらに、資本金を入金する日時も問題ですが、定款認証が終わった後に発起人の口座に資本金を入金する必要があるので、発起人が複数いる場合は、入金時期に注意してください。
預金通帳の口座名義人として認められる者の範囲は?
では、出資額を入金するときの預金通帳の口座名義人は誰になるのでしょうか?。
実務では、発起人のほか、設立時取締役(設立時代表取締役)であってもよいとされています。
通帳口座の名義人が発起人以外の設立時取締役・設立時代表取締役の場合に注意が必要です。
払込みがあったことを証する書面として、設立時取締役が口座名義人である預金通帳の写しを合綴したものが添付されている場合には、 発起人が当該設立時取締役に対して払込金の受領権限を委任したことを明らかにする書面を併せて添付することを要します。
手続が面倒なので、なるべく発起人の口座に出資金額を払い込んでもらったほうがいいでしょう。
まとめ
払込があったことを証する書面は、会社設立登記では欠かせない添付書面となります。
誰の口座にいつ入金する必要があるのか再度ご確認ください。
今回は
『会社設立 資本金を払い込む銀行口座は誰の口座に振り込めばいいのか?』
に関する内容でした。
参考書籍はこちらから
登記官からみた 株式会社設立登記の実務
横山 亘 日本法令 2013-06-13
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