実家の名義変更を「とりあえず放置」した人が、10年後に必ず後悔する理由。司法書士が教える相続の「呪い」とは?

東京都江戸川区船堀「司法書士・行政書士きりがや事務所」司法書士・行政書士「資格合格逆算メソッド」著者の桐ケ谷淳一(@kirijunshisho)です。

はじめに

「実家の名義? 亡くなった父のままだと思うけど、固定資産税は払っているから大丈夫でしょ」

もしあなたがそう思っているなら、非常に危険なサインです。

司法書士として多くの相続現場に立ち会ってきましたが、この「とりあえず放置」こそが、数年後に家族を壊す最凶の呪いに変わる瞬間を何度も目撃してきました。

2024年4月から相続登記が「義務化」された今、もはや先送りは許されない段階に来ています。

なぜ、放置がそれほどまでに恐ろしいのか。その実態をお話しします。

相続人の「ネズミ算式」増殖

相続を放置している間にも、時間は残酷に流れます。 当初は兄弟2人だけだった相続人が、放置している間に親戚が亡くなり、その子供たちが権利を引き継いでいく……。

これを繰り返すと、10年後には相続人が10人、20人と膨れ上がります。

名義変更には遺言書がない限り「相続人全員のハンコ」が不可欠です。

多くの場合は遺言書を作っていないため、遺産分割協議書作成のための相続人全員の実印が不可欠になります。

一度も会ったことがない「いとこの再婚相手」に、ある日突然ハンコをお願いしに行かなければならない。

そんな事態が、現実の登記現場では頻発しています。

30年前の「しこり」が爆発する

相続の現場には、必ずといっていいほど「前の相続で我慢を強いられた人」が隠れています。

当時は波風を立てたくなかった親戚も、その不満を心の奥底でずっと煮詰めています。

いざ名義を変えようとした瞬間に、 「あの時、お兄さんだけが得をした」 「ハンコが欲しければ相応の対価を払え」 という30年前の恨みが噴出します。

過去の「こじれ」にフタをすることは、解決ではなく単なる先送りです。

そのツケを払わされるのは、事情を何も知らないあなたの子供たちかもしれません。

売りたい時に「売れない」という絶望

「とりあえず、そのまま」という選択は、問題を巨大化させて未来に投げる行為です。

逆に、今しっかり名義を整えておくことは、あなたの大切な家族を将来のトラブルから守る「最強の盾」になります。

負の連鎖を自分の代で断ち切り、実家を「お荷物」ではなく「資産」として引き継ぐ。

それが、残される家族への最大の愛情表現ではないでしょうか。

さらに深く知りたい方へ

実は、相続の問題は「名義の放置」だけではありません。

現代の多様な家族の形の中で、「そもそも法律が名義変更を認めないケース」が存在することをご存知でしょうか?

  • 「長年連れ添った事実婚のパートナーを守りたい」

  • 「事情があって認知していない子に財産を遺したい」

そんな、法律の境界線上で悩む方々のために、司法書士としての知見を詰め込んだ「相続生存戦略」をnoteにまとめました。

実家の名義に不安がある方、大切な人を確実に守りたい方は、ぜひ併せてチェックしてみてください。

▶︎ 法律は「愛」を評価しない。事実婚・未認知の子を守るための相続生存戦略(note記事へ)

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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。