目次
はじめに
こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
前回まで相続税・贈与税の宅地評価・株式の評価についての概略を紹介しました。
前回の記事も合わせてご覧になることをお勧めします。
まだご覧になっていない皆様は、ブログにも書きましたので、ぜひ「あわせて読みたい」から前回のブログをお読みください。
今回は宅地や株式以外のその他の財産の評価についての概略を紹介します。
今回もFP2級の試験範囲での紹介にとどめますので、詳しく知りたい方は、税理士に相談してください。
この本では、FP試験に必要な知識だけでなく、実際に役立つファイナンシャルプランニングの技術についても学べます。
宅地や株式以外の評価は?
建物の評価
建物は「自用家屋」「貸家」「建設中の家屋」で評価が変わります。
自用家屋:評価額=固定資産税評価額×1.0(つまり固定資産税評価額)
貸家:評価額=自用家屋の評価額×(1-借家権割合×貸家割合)
建設中の家屋:評価額=課税時期までの建設費用現価×70%
附属設備等の評価
附属設備も種類によって異なります。
家屋と構造上一体となっている設備:家屋の価額に含めて評価
庭園等:評価額=課税時期における調達価額×70%
構造物(門、塀など):評価額=(再構築価額-建築時から課税時期までの償却費の合計額又は減価の額)×70%
ゴルフ会員権や生命保険契約に関する権利、普通預金、定期預金等
ゴルフ会員権:評価額=通常の取引価額場圧70%
生命保険契約に関する権利:評価額=解約返戻金の額
普通預金:評価額=原則として相続開始時の預入残高
定期預金等:評価額=預入残高+(相続開始時までの既経過利息-源泉徴収税額)
公社債の評価
利付債(上場):評価額=課税時期の最終価格+(既経過利息-源泉徴収税額)
投資信託の評価
上場投資信託:上場株式等と同じ
(参考:上場株式の評価)
上場株式については、次の(1)~(4)のうち、最も低い価額で評価します。
(1)課税時期(相続開始時)の最終価格
(2)課税時期の属する月の毎日の最終価格の平均
(3)課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の平均
(4)課税時期の属する月の前々月の毎日の最終価格の平均
MMFなど:評価額=1口あたり基準課税×口数+(未収分配金-源泉徴収税額)-解約手数料等
MMF(マネー・マーケット・ファンド)は、短期の金融市場で取引される安全性が高い資産に投資する投資信託の一種です。
その他:評価額=1口あたり基準課税×口数-解約した場合の源泉徴収税額)-解約手数料等
定期金に関する権利の評価
給付事由が発生していなものと給付事由が発生しているもので分けます。
給付事由が発生していないもの:評価額=解約返戻金相当額
給付事由が発生しているもの:次の(1)~(3)のうちいずれか多い金額
(1)解約返戻金相当額
(2)定期金に代えて一時金で受け取ることができる場合は、その一時金相当額
(3)予定利率等をもとに計算した金額
外貨建ての財産の評価
相続開始時のTTBで円換算した金額
TTBとは、Telegraphic Transfer Buying Rateの略称で和訳は電信買相場。
海外との電信為替送金を行う際に、銀行によって提示される為替レートのことです。
外貨を円に戻すときの為替レートのことを指します。
生前相続対策としてどうすべきか?
宅地や株式、その他の財産をまずは記録するところからスタートします。
生前相続対策としてこれらの財産を記録するのに役に立つのが「エンディングノート」
エンディングノートには各種財産の記載欄があるので、自分が所有している財産を洗い出しましょう。
それに基づいて、遺言書なり家族信託なりを活用して相続対策を行うことになります。
その他の財産でも価値のあるものもあるので、相続税対策も対応しておくようにしましょう。
まとめ
その他の財産も価値があるものについては、相続税や贈与税の対象となります。
相続税対策を考える際は、専門的知識を持つ税理士との協力が不可欠です。
ただ財産の評価の概要を知っておくだけでも相続対策の重要性を認識できるでしょう。
相続対策の相談は当事務所のウェブサイトをご覧いただくか、直接お問い合わせください。
「税務」については司法書士のため専門ではありませんのでご了承ください。
今回は
『相続税や贈与税を計算する際の評価:宅地や株式以外の評価は?』
に関する内容でした。
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