なぜ任期を10年にできるのか?定款に「ある規定」を入れているから
前回から、会社の定款について書いています。
【3分以内で読める!企業法務】会社設立には必須 定款ってどんなの? | 司法書士行政書士きりがやブログ(きりログ)
今回から具体的にみていきます。
あなたがひとり会社の代表者で株主になったとしましょう。
代表者すなわち取締役の任期、変えなくてもいいと思っていませんか?
実は、取締役等の任期は法律で2年と決まっています。
しかし、ある規定を置くと任期を最大10年まで伸ばすことができます。
その規定は・・・
「株式の譲渡制限に関する規定」
です。
株式の譲渡制限に関する規定とは?
面識のない第三者に会社を乗っ取られないようにする規定です。
よく大手企業の株式は転々流通し、株価で業績が判断されます。
しかし、中小企業の場合、株式が転々流通すると、知らない人が会社を経営することになってしまいます。
せっかく自分の作った会社が台無しになってしまいます。
かといって、株式を全面的に譲渡することができないと規定することもできません。
そこで、会社側で
「この人に渡す場合、会社の承認を得ればいいですよ」
とすることで会社の乗っ取りも防げます。
それが
「株式の譲渡制限に関する規定」
の趣旨です。
これから株式会社を作りたいあなたにとっては必須の条項です。
株式譲渡制限を設けると・・・
以下のとおりのことができるようになります。
- 取締役会を置く必要がない。だから取締役は1名以上でOK
- 監査役を置く必要がない
- 取締役の任期を最大10年まで伸ばすことができる
小規模な会社で、株主数などもそこまで変わらなければ、ゆるくしても構わないのではないか、
会社法ではそのように決めています。
ひと昔前、有限会社がありました。
その法律を統合して、今の会社法がありますので、その影響があるかもしれません。
なので、これから株式会社を作りたいあなたにとって大事になります。
この規定を入れるか入れないかで会社経営に影響が出ます。
以上が今回の内容です。
いかがでしたか?
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