東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
司法書士試験に受かると、多くの方が研修を受け、実務に携わります。
さらに、特別研修というのを受け、簡易裁判所の訴訟代理権を取得するための認定考査に臨みます。
ところで、平成30年度簡裁訴訟代理等能力認定考査の認定率がかなり低かったようです。
平成30年度簡裁訴訟代理等能力認定考査の認定率が・・・
簡裁訴訟代理業務って何?
一般の方には、なかなか馴染みが薄いので、簡裁訴訟代理業務のことを触れておきます。
司法書士業務には裁判所に提出する書類作成業務があります。
これは簡易裁判所だけでなく地方裁判所や高等裁判所などの民事訴訟における訴訟で訴状や答弁書、準備書面を作成したりする業務です。
当然弁護士のように代理できないため、依頼者から事情を聞き取り、書面を作成する。
そして裁判所には本人が対応する、いわば二人三脚的な仕事が裁判所書類作成業務になります。
これは司法書士なら誰でもなることができます。
簡裁訴訟代理業務というのは、訴額が140万円以下の簡易裁判所の民事訴訟について、弁護士と同じように依頼者に代わって法廷に立って弁論するものです。
こちらがいわゆる簡裁訴訟代理業務で、認定試験に受かった司法書士しかすることができません。
平成30年度簡裁訴訟代理等能力認定考査の結果が・・・
平成30年の認定率(合格率)をみると、43.1%、50%を割り込みました。
この試験は70点中40点取れば誰でも受かる試験ですが、今回はどうも点数が取れなかった問題がでたようです。
特別研修の教材には載っていない代理の問題が出題され、受験生が四苦八苦したとのことです。
ただ、過去の認定試験で代理は出題されていたので、過去問をきちんとやっていた方には有利だったと言えます。
いずれにしても、認定率が低いというのは大きな問題だと言えます。
最近の受験生は条文を軽視している
認定試験でもやっぱり条文は大事になってきます。
もしかしたら司法書士試験の筆記試験で条文を軽視している傾向が、今回の認定試験の認定率にも影響しているかもしれません。
私個人の推測ですが・・・
司法書士の筆記試験は条文と過去問をしっかりやっていれば合格点をとれます。
どうも最近2年の筆記試験の結果をみると、もっと午前問の基準点が高くてもいいところ、意外と低いところに落ち着いているのが気になります。
予備校が条文軽視で最新の情報やテクニックばかり教えているのが影響しているのかは分かりません。
実務についたらまずは条文からスタートするわけなので、司法書士受験時代から条文をもっと重視すべき勉強を取るべきです。
きっと予備校も受験生減少が影響して、とにかく合格者を出したい、だからテクニックに走る、そんな傾向が見て取れます。
おそらく、ここ数年で司法書士予備校はいくつかなくなると思います。
まとめ
平成30年度簡裁訴訟代理等能力認定考査の認定率が低すぎることには驚きです。
やはり受験生時代から条文をきちんと読み、条文から考える癖をつけることが大事だと思った次第です。
今回は
『平成30年度簡裁訴訟代理等能力認定考査の認定率が・・・』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
司法書士試験は筆記試験、口述試験を経て最終合格、その後認定試験のための特別研修へと進みます。
口述試験についてはこちらのブログを御覧ください。
参考書籍
第2版 ながめてわかる!認定考査対策と要件事実の基礎 司法書士特別研修
小山 弘 日本加除出版 2015-10-01
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司法書士 簡裁訴訟代理等関係業務の手引〈平成29年版〉
日本司法書士会連合会 日本加除出版 2016-10-01
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司法書士 認定考査過去問題集(第1回~第10回)
小山 弘 日本加除出版 2015-10-01
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