贈与登記の流れと注意点: 贈与をスムーズに進めるために知っておきたいことを江戸川区船堀の司法書士・行政書士が解説

東京都江戸川区「会社の誕生、相続のつながり。登記の一つ一つに、私たちとの絆を二人三脚で!」 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

ここ最近、生前に財産を移転させたいという依頼が増えています。

相続と違い、相続人以外の人に財産を渡せるのが「贈与」の魅力。

とはいっても「贈与税」がネックになりますが…

今回は「贈与登記」に特化して、紹介してきます。

贈与税のことをよく考える

贈与は、財産を贈る人と贈られる人との間で結ぶ「贈与契約」によって成立します。

基本は書面を用いて行います。

贈与に関して気をつけないといけないのが「贈与税」。

ただ、相続の節税対策の一環として使うといいと言われています。

かといって、節税対策ばかりに目がいってしまい、肝心な財産の承継(「人のココロ」の部分)をおろそかにしてはいけません。

生前贈与で使われるのが「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」です。

ただし、こちらはどちらを使うのか、しっかりシミュレーションしておかないと節税効果が薄くなりますので、税理士に相談して決めてください。

「暦年贈与」とは、年間110万円の基礎控除までは贈与税はかかりません。

贈与税は、受け取る側にかかる税金なので、贈る側は税金を払う必要がありません。

贈与する人数が多くても、それぞれが年間110万円に収まっていれば受贈者側にも贈与税はかかりません。

ただし、暦年贈与の注意点は、相続発生時(贈与者が亡くなったとき)、そこから7年以内にもらった財産は、相続財産に加算されてしまい、相続税がかかってしまいます(「持ち戻し」)。

令和5年度の税制改正により、持ち戻しの期間が3年から7年に延長されて不利になります。

また「相続時精算課税制度」を利用すると、2,500万円までは贈与税は非課税になり、相続発生時に相続財産に加算されて相続税の対象となる制度です。

令和5年度の税制改正で、相続時精算課税制度に、年110万円の基礎控除制度が創設され、110万円以下の贈与については、これまでは必要だった申告の必要もなくなります。

いずれにしても、贈与を考えている方は、暦年課税でするのか相続時精算課税制度を活用するのかじっくり考える必要があります。

また、贈与税の非課税制度もあり、主なものは以下の通りです

  • 住宅取得等資金の非課税
  • 教育資金、結婚・子育ての資金の一括贈与の非課税

非課税制度で自分が当てはまるものがあれば活用するといいでしょう。

贈与税を活用して不動産を動かしたい場合、必ず税理士と打ち合わせすることをおすすめします。

贈与を原因とする所有権移転登記の手続き

登記に必要な添付書面は

  • 登記原因証明情報
  • 登記識別情報通知もしくは登記済証
  • 贈与者の印鑑証明書
  • 受贈者の住民票
  • 司法書士に依頼する場合は委任状

登記原因証明情報としては、贈与した経緯を記載したものを用意する必要があります。

なお、贈与契約は書面でする必要はありません。

しかし、税務署が調査に入った時贈与をしたことを証する書面がないと何をいわれるか分からないので、必ず贈与契約書は作成してください。

法務局に提出する際の登録免許税は不動産の固定資産の評価額の2%です。

仮に不動産の固定資産額が1,000万円の場合、登録免許税は20万円になります。

結構高いですので、ご注意ください。

まとめ

最近、贈与の相談が増えてきているので改めて「贈与税」の概略と「贈与を原因とする所有権移転登記」について簡易にまとめてみました。

意外と移転登記の際に納める登録免許税が高いので、気をつけてください。

一番大事なのは贈与税がどのくらいかかるのか。

ここは税理士に聞いてから移転登記手続をするようにしてください。

今回は
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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。