「遺言」相続開始後遺言を書いておけば大丈夫?果たしてそうなのか|江戸川区葛西司法書士・行政書士が解説します
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
「遺言書を書こうと思います。でも、どのように書いたらいいか自分が亡くなったあとのことが心配で・・・」
最近は、亡くなったあとの自分の相続財産がどうなるか心配する方も増えています。
はたして、遺言を書いておけば安心なのでしょうか?
「遺言」相続開始後遺言を書いておけば大丈夫?果たしてそうなのか
遺言書を書く必要がある場合は?
遺言書は生前の元気なうちに書いておかないといけないもの。
さらに、その中でも優先して遺言をしておかないといけない方々を書きます。
以下の2つの場合は、遺言書を書いておかれるといい場合です。
その1 会社を経営していて後継者が決まっている場合
会社経営者の場合、経営を安定にしておかないと、従業員や取引先に迷惑がかかります。
後継者があらかじめ決まっている場合は遺言は必須です。
というか、中小企業の経営者は今すぐにでも遺言書の作成はしておくべきです。
昨今、副業で起業される方もいるので、起業したらすみやかに遺言書作成に着手してください。
その2 推定相続人が兄弟姉妹のみの場合
相続人が兄弟姉妹の場合、遺留分の問題は起こりません。
顔の見えない相続人に渡すより、自分がお世話になった人に渡すほうがあなたのためにもいいでしょう。
遺留分の問題が起きない方は遺言書を書くべきです。
確かに相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹が自分より先に亡くなっている場合は甥や姪)にとっては不満があるでしょうが、あなたの財産を確実に託したい人に渡すほうがあなたにとってもスッキリするでしょう。
それができるのは遺言書くらいしかありません。
「遺言書」を書いておけば安心?
「遺言書」を書いても、相続開始後違う内容で遺産分割協議をすることはできるのでしょうか。
結論は、相続人全員が遺言書記載の内容を知っていて、その後遺産分割協議をした場合、遺産分割協議は有効です。
財産を承継したい人が自分はいいと遺言内容を拒否するような場合が当てはまります。
となると、遺言者の意思は反映されないことになってしまいます。
なので、遺言者の意思をしっかり反映させるためにも「付言事項」は書いておきましょう。
また、遺言書の内容を知らないで遺産分割協議をし、その後遺言書が発見された場合はどうなってしまうのでしょうか?
この場合は、上記のとおりすんなりいくとは限りません。
法定相続人間で遺産分割協議で納得しているのであれば、そのままで問題ありません。
しかし、遺言書記載のとおりにしたいのであれば、遺留分に反しない限り、遺贈を執行し、残りの遺産につき、改めて遺産分割協議をします。
このような自体を避けるためにも公正証書遺言にするか、自筆証書遺言にしても法務局に保管する制度を活用するかを遺言者は検討してください。
必ずしも「遺言書」を書いたから安心とはいえないのです。
まとめ
「遺言」は最後のラブレター。
自分がこの先どうしたいのかを最後に書く手紙です。
ただ、遺言を書いただけでは全てが解決するとは言えないこともあることはちょっと頭の片隅にでも入れておかれるといいでしょう。
なので、揉めないようにするにはどうすればいいか、「付言事項」を活用して遺言者はケアしておくことが大事です。
今回は
『「遺言」相続開始後遺言を書いておけば大丈夫?果たしてそうなのか|江戸川区葛西司法書士・行政書士が解説します』
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