親に相続の話をどう切り出す?迷ったら知ってほしい第一歩を江戸川区の司法書士が解説

こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える「相続・会社設立に」に特化した事務所、司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirijunshoshi)です。

はじめに:身近な人の相続トラブルを聞いて不安に…

「うちはまだ元気な親がいるから大丈夫」

そう思っていた矢先、知り合いからこんな話を聞きました。

「実家の相続で、兄弟と揉めちゃって…」
「話し合いが進まなくて、ずっと手続きが終わらない状態で困ってるの」

田舎に住む両親がいる40代の主婦Aさんは、この話をきっかけに自分の家のことが心配になりました。

特に「実家をどうするのか」という具体的な問題について、不安を感じるようになったのです。

「相続の話なんて、親に言っても嫌がられるし、どうしたらいいんだろう?」

そんな悩みを抱えている方に向けて、相続手続きを始めるための第一歩をお伝えします。

1. 相続手続きってなぜ大変なの?

(1)知らないと後で困る相続の現実

相続手続きは、ただ財産を分けるだけではありません。

以下のような作業が必要になります:

  • 戸籍謄本や住民票など多くの書類を集める
  • 法律や税金に関する基本知識を理解する
  • 不動産や預貯金の名義変更など、実際の手続きを進める

これらの作業は、初めての方には特に難しく感じられます。

Aさんも

「こんなに色々しなきゃいけないなんて知らなかった」

と驚きました。

(2)トラブルになりやすいポイント

特に、実家の不動産が絡む相続ではトラブルが起こりやすいです。

  • 分けにくい資産:不動産は現金と違い、簡単に分けられません。
  • 家族間の意見の違い:「売却する」「誰かが住む」など、方向性がまとまらないことが多い。

Aさんの知り合いのケースでも、「実家の扱い」で兄弟間の話し合いが難航していました。

2. 相続手続きをスムーズに進めるための基本

(1)まずは全体像をつかむ

相続手続きがスムーズに進むためには、「何をいつまでにするのか」を把握することが大切です。

例えば:

  • 相続開始直後(7日以内):死亡届の提出や火葬許可証の取得
  • 3か月以内:相続財産の調査と「相続放棄」か「限定承認」の選択
  • 10か月以内:遺産分割協議や相続税の申告

期限を意識することで、手続きに追われる不安が軽減されます。

Aさんも「全体の流れが分かると安心する」と感じました。

(2)最初にやるべきこと:財産の確認

相続手続きで最初に必要なのは、親の財産の全体像を把握することです。

以下のステップが役立ちます:

  • 不動産:登記簿謄本や固定資産評価証明書を取得
  • 預貯金:通帳や残高証明書を確認
  • 負債:借入金や未払いの税金をチェック

これらをリスト化することで、次に何をすべきかが見えてきます。

3. 家族との話し合いを円滑に進めるためのヒント

(1)親に話しやすいタイミングを探る

親に相続の話を切り出すのは、簡単なことではありません。

Aさんも「遺言書を書いて」と直接言ったとき、親に反発されてしまいました。

親との話し合いをスムーズに進めるためには、次のような工夫が必要です:

  • 自然なタイミングを選ぶ:法事や帰省時など。
  • 身近な話題から切り出す:「〇〇さんの相続の話を聞いて気になった」といった形で切り出す。

Aさんの場合も、親の負担を減らしたいという思いを伝えると、少しずつ聞く姿勢を持ってくれました。

(2)「親の意志」を尊重することが大切

相続の準備を進める上で、親が「自分で決めた」という感覚を持つことが大切です。

そのために:

  • 「家族のため」と伝える:「お父さんの意志を残してほしい」といった形で説明する。
  • 選択肢を示す:「遺言書を書かないとこんなリスクがあるよ」と具体的に話す。

4. 専門家に相談するタイミング

(1)どのタイミングで相談すべきか?

相続手続きで迷ったときは、専門家に相談するのが一番の近道です。

特に:

  • 相続財産が基礎控除を超える場合(3,000万円+600万円×相続人の数)
  • 家族間で話し合いが進まない場合
  • 手続きに必要な書類が分からない場合

Aさんも、最終的に司法書士に相談することで、スムーズに手続きを進めることができました。

(2)専門家に相談するメリット

  • 書類の準備をサポート:戸籍謄本や遺産分割協議書の作成もお任せ。
  • 家族間の調整役としてサポート:感情的な対立を防ぐ。
  • 法律や税金の知識を提供:初めての相続でも安心。

「相談してよかった」と感じたAさんは、安心して家族と向き合えるようになりました。

まとめ 相続準備を始めるなら今!

相続手続きは、準備が早ければ早いほどスムーズに進みます。

本記事で紹介したポイントを参考に、まずは「親の財産の現状把握」から始めてみてはいかがでしょうか?

また、必要に応じて専門家のサポートを受けることも、安心して進めるための大切なステップです。

「何から始めたらいいの?」と迷ったら、ぜひ一歩を踏み出してみてください!

今回は
『親に相続の話をどう切り出す?迷ったら知ってほしい第一歩を江戸川区の司法書士が解説』
に関する内容でした。

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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。