あなたと家族を守る、遺言のススメ:知っておくべき5つのポイントを江戸川区の司法書士・行政書士が解説

こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに 

「遺言書」という言葉、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?

多くの方にとって、なじみの薄いものかもしれません。

あるいは、「まだ自分には関係ない」と思われているかもしれません。

しかし、遺言書は決して遠い未来の話ではありません。

それは、あなたの大切な財産や想いを、確実に未来へと繋ぐためのメッセージなのです。

今回は、まだ遺言を書いたことがないあなたへ、その重要性について5つのポイントから詳しくお伝えします。

この記事を読み終わる頃には、遺言書の必要性を実感し、具体的な行動への第一歩を踏み出せるはずです。

最後までぜひ御覧ください。

遺言書が大切な5つの理由

1. 残された家族の負担を大幅に軽減する

遺言書がない場合、残された家族は「遺産分割協議」という手続きが必要になります。

これは、遺産をどのように分けるか家族間で話し合うものですが、想像以上に大変な作業です。

例えば、以下のような問題が発生する可能性があります:

  • 話し合いに時間がかかり、精神的・時間的負担が増大
  • 家族間で意見が対立し、関係が悪化
  • 相続手続きが長引き、財産の凍結期間が延長

遺言書があれば、これらの問題を大幅に軽減できます。

あなたの意思が明確に示されているため、家族はその内容に従って手続きを進めることができるのです。

特に、以下のような場合は遺言書の存在が極めて重要です:

  • 複雑な家族構成(再婚や養子縁組がある場合など)
  • 多額の借金や債務がある場合
  • 事業や不動産など、分割が難しい財産がある場合

2. あなたの想いを確実に伝えられる

遺言書の役割は、単に財産の分配方法を指示することだけではありません。

「付言事項」という形で、あなたの想いや願いを伝えることもできるのです。

付言事項の例:

  • 家族への感謝のメッセージ
  • 子どもたちへの人生のアドバイス
  • 財産の使い道についての希望(例:教育資金として使ってほしい)
  • 家族の絆を大切にしてほしいという願い

法的な拘束力はありませんが、これらのメッセージは家族にとって大きな心の支えとなり、あなたの意思を尊重する指針となります。

3. 相続トラブルを未然に防ぐ

法定相続のルールは、必ずしもあなたの希望通りではないかもしれません。

例えば:

  • 配偶者と子どもで財産を分ける場合、配偶者の取り分が予想以上に少なくなる
  • 親の介護をしてきた子と、疎遠だった子で同じ割合の相続となる
  • 事業を継ぐ予定の子に、事業用資産を集中して相続させることができない

このような状況で遺言書がないと、相続人同士で意見が対立し、深刻なトラブルに発展する可能性があります。

遺言書があれば、あなたの意思が尊重され、こうしたトラブルを防ぐことができます。

4. 相続税の節税対策にもなる

遺言書は、相続税の節税対策としても有効です。

例えば:

  • 配偶者への相続割合を調整し、配偶者控除を最大限に活用
  • 相続財産を分散させることで、基礎控除を有効に使う
  • 相続時精算課税制度を活用した生前贈与との組み合わせ

ただし、これらの対策は個々の状況によって効果が異なるため、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

5. 想定外の事態に備えられる

「まだ若いから」「財産が少ないから」と遺言書の作成を先送りにしていませんか?

しかし、人生には予期せぬ出来事が起こりうるのです。

  • 突然の事故や病気
  • 災害による予期せぬ相続の発生
  • 財産状況の急激な変化(宝くじ当選、相続での財産取得など)

このような場合、遺言書がないと、あなたの意思とは全く異なる形で財産が分配されてしまう可能性があります。

遺言書は、こうした想定外の事態への備えにもなるのです。

遺言書の作成方法

遺言書の作成方法には、主に以下の3つがあります:

公正証書遺言
  • 公証人の関与のもと作成
  • 法的に最も確実な方法
  • 費用はかかるが、遺言の無効や偽造のリスクが低い
自筆証書遺言
  • 自分で手書きで作成
  • 費用はかからないが、方式に不備があると無効になるリスクがある
  • 法務局での保管制度を利用すると安全性が高まる
秘密証書遺言
  • 公証人と証人の面前で封をして作成
  • 内容を秘密にできるが、手続きが複雑

どの方法を選ぶかは、あなたの状況や希望によって異なります。

専門家に相談しながら、最適な方法を選びましょう。

まとめ:今すぐ行動を起こそう

遺言書は、年齢や財産の大小に関わらず、誰もが準備しておくべきものです。

「まだ早い」「必要ない」と思わずに、今すぐ行動を起こしましょう。

具体的なステップとしては:

  • 自分の財産を棚卸しする
  • 家族構成や関係性を整理する
  • 相続についての希望を明確にする
  • 専門家(司法書士や弁護士)に相談する

専門家は、あなたの状況や希望に合わせて、最適な遺言書の作成をサポートします。公正証書遺言や自筆証書遺言など、様々な形式の中からあなたに最適なものを選ぶお手伝いもできます。

遺言書は、あなたの大切な家族のため、そして、あなたの想いを未来へ確実に繋ぐためのツールです。

この機会に、遺言書の作成を真剣に検討してみてはいかがでしょうか?

この内容が少しでも参考になれば幸いです。

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今回は
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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。