監査役の退任と取締役の就任に本人確認証明書は必要なのか?江戸川区葛西の司法書士が解説します
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
平成27年2月27日に商業登記規則が改正されました。
取締役等の就任承諾書に添付する本人確認証明書。
「再任」の場合は不要ですが、「再任」とはどういう意味か探っていきましょう。
監査役の退任と取締役の就任に本人確認証明書は必要なのか?江戸川区葛西の司法書士が解説します
「再任」の時は本人確認書面は不要
商業登記規則第61項5項で、取締役の就任の時に、本人確認証明書が必要になりました。
本人確認証明書は住民票や運転免許証等のコピーが該当します。
ただ、「再任」に当たる場合は本人確認証明書はいらないです。
「再任」となっていますが、どのような意味でしょうか?
ここで色々と解釈が分かれてくるわけです。
「再任」の意味は?
・定款の定めた任期が到来し、当該定時総会で再度選ばれた場合。
これは「重任」になり、再任となるので、本人確認証明書は不要です。
・任期は満了したが、定款に定めた員数に足りず、権利義務状態が続き退任登記ができなかった。
しかし、定款に定めた人数を満たすようになり、退任登記は可能になったが、その人が再度選ばれた場合。
登記上は「年月日退任」「年月日就任」となり、一見本人確認証明書が必要なケースだと思われるかもしれません。
しかし、登記手続きは上記のようになっても「再任」扱いになるため、別途本人確認証明書はいりません。
・監査役となっていたが、任期満了となり、今度は取締役として就任する場合
こちらは、役職が異なるため、「再任」とはいえず、取締役就任の際に本人確認証明書が必要になります。
再任についての考え方
「再任」について。
「重任」に当たる場合、権利義務取締役が再度選ばれた場合は本人確認証明書は不要と覚えておくといいでしょう。
一度辞任した取締役が間髪入れずに再度選任された場合についても「再任」と扱われるようです。
ただ、「再任」に当たると思われるケースでも、「再任」に当たるか微妙なケースも。
例えば以下のようなケースです。
・辞任等で退任したが未登記中に再選し同時に退任と就任を登記する場合
・退任登記済みだが履歴事項に登載されている間に復帰した場合
商業登記で有名な司法書士の金子登志雄先生は「再任」でいいのではないかとブログで紹介しています。
明らかに不明な場合は安全策をとって、本人確認証明書を準備しておくのも一考でしょう。
いずれにしても「再任」に当たる場合でも、私は就任承諾書等に就任役員の住所は記載させるべきだと思っています。
まとめ
役員変更登記に際しては「再任」にあたるのか、「就任」に当たるのかで、添付書面が異なってきます。
すでに権利義務状態で、同じ人が選ばれた場合には「再任」に当たると考えられます。
役職の地位が変わった場合は同じ場合であっても「再任」にならないことを覚えておくといいです。
今回は
『監査役の退任と取締役の就任に本人確認証明書は必要なのか?江戸川区葛西の司法書士が解説します』
に関する内容でした。
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