こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える「相続」に特化した事務所、司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirijunshoshi)です。
目次
はじめに
「相続の相談をしたけれど、専門用語が多すぎて理解できなかった」という声をよくいただきます。
そこで今回は、相続の手続きを進める際に知っておくと役立つ専門用語を、できるだけ分かりやすく解説します。
相続のことを全く知らない方でも、このブログを読めば基礎知識を身につけることができます。
ぜひ最後までご覧ください。
1. そもそも相続とは?
相続とは、「亡くなった方の財産や負債を引き継ぐこと」です。
例えば、お父さんが亡くなったとき、
- 家や土地、預貯金、株式 → これらは「プラスの財産」
- 借金、住宅ローン、未払いの税金 → これらは「マイナスの財産」
このように、お金だけでなく、家や借金まで含めてすべて「相続財産」となります。
では、誰が相続するのか?
次で説明します。
2. 相続に関する基本用語
(1) 相続人(そうぞくにん)
相続できる人のことです。
例えば、お父さんが亡くなった場合、
- 配偶者(お母さん)
- 子ども(あなた)
が相続人になります。
もし子どもがいない場合、次のように変わります。
- 配偶者(お母さん)+ お父さんの親(祖父母)
- 配偶者(お母さん)+ お父さんの兄弟姉妹
つまり、家族構成によって相続人が変わるのです。
(2) 被相続人(ひそうぞくにん)
「亡くなった人」のことです。
「相続人」とセットで覚えましょう。
(3) 法定相続分(ほうていそうぞくぶん)
法律で決められた「相続人がもらえる割合」のことです。
例えば、お父さんが亡くなり、相続人が「お母さん」と「子ども2人」の場合、
- お母さん → 1/2(50%)
- 子ども2人 → 1/2を2人で分ける(1人1/4)
このように、法律で相続の割合が決まっています。
ただし、相続人全員が合意すれば、別の分け方もできます。
(4) 遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)
「相続人全員で財産の分け方を話し合うこと」です。
例えば、お母さんが「家は私が相続し、預貯金は子ども2人で分けよう」と提案した場合、
- これに相続人全員が合意すれば、その通りに分けることができます。
- ただし、誰か1人でも反対すると話し合いは成立しません。
話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所で「調停(ちょうてい)」をすることになります
(5) 遺言書(ゆいごんしょ)
亡くなった方が「財産を誰にどう分けるか」を書き残した書類のことです。
遺言書がある場合、基本的に書かれた内容に沿って相続が進みます。
遺言書には主に2種類があります。(他にも秘密証書遺言がありますが、ほとんど利用されないため説明は割愛します)
・自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)
- 本人がすべて手書きで作成する遺言書。
- 手軽に作成できるが、不備があると無効になるリスクがある。
・公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)
- 公証役場で公証人の立会いのもと作成する遺言書。
- 法的に確実で、紛失や改ざんの心配がない。
(6) 遺留分(いりゅうぶん)
法定相続人に最低限保証されている「取り分」のことです。
例えば、亡くなった方が「全財産を第三者に相続させる」と遺言書に書いたとしても、
- 配偶者や子どもには遺留分として最低限の相続権が認められます。
- 兄弟姉妹には遺留分がありません
遺留分は次のように決められています。
- 配偶者・子どもがいる場合 → 法定相続分の11/2
- 直系尊属(親)が相続人の場合 → 法定相続分の1/3
遺留分を侵害された相続人は、他の相続人に対して「遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)」を行うことができます。
(7) 相続登記(そうぞくとうき)
亡くなった方の不動産(家や土地)を相続人の名義に変更する手続きです。
2024年4月1日から、相続登記は義務化されました。
- 亡くなったことを知ってから3年以内に登記しないと「10万円以下の過料(罰金)」が科される可能性があります。
相続した不動産を売却する場合も、相続登記が必要です。
(8) 相続税(そうぞくぜい)
相続税とは、亡くなった方の財産を相続したときに課される税金のことです。
ただし、すべてのケースで課税されるわけではなく、一定の条件があります。
(8-1) 基礎控除の計算方法
相続税には基礎控除が設けられており、一定の金額までは税金がかかりません。
基礎控除額は次の計算式で求められます:
3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
- 例1:法定相続人が2人の場合 基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 2人) = 4,200万円
- 例2:法定相続人が3人の場合 基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 3人) = 4,800万円
この基礎控除額を超える財産がある場合、相続税がかかります。
(8-2) 相続税が課されるケースと申告期限
相続税がかかるかどうかは、遺産の総額が基礎控除を超えるかによります。
- 例えば、5,000万円の遺産がある場合、法定相続人が2人なら控除額4,200万円を超えるので、800万円分が課税対象となる可能性があります。
申告期限は、亡くなった日の翌日から10か月以内です。
申告が必要か判断する際は、金融資産だけでなく、不動産の評価額にも注意しましょう。
税理士などの専門家に相談することで、過不足なく適切に申告できます。
まとめ:相続の基本用語を知ってスムーズな手続きを
相続は一生のうちに何度も経験するものではなく、いざ直面すると分からないことだらけです。
今回紹介した用語を知っておくだけで、司法書士との相談がスムーズになります。
「相続の手続きで困った」「相続登記をどうすればいいか分からない」という方は、ぜひ専門家に相談してください。
当事務所では、以下のサポートを提供しています。
最近では「相続開始後」の手続きに重点的に相続手続きのサポートを提供しています。
- 相続登記(不動産の名義変更)
- 遺産分割協議書の作成
- 預貯金解約手続き
- 遺産整理業務
江戸川区で相続手続きを検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
今回は
『相続用語辞典:相続用語がわかれば安心!江戸川区船堀の司法書士・行政書士が教えます!』
に関する内容でした。
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