合同会社の「社員」って何?江戸川区の司法書士が解説します

東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

合同会社の内容を書くときに「社員」という言葉を使います。

一般でも会社員のことを「社員」ということがありますが、合同会社の「社員」とは異なる意味があります。

そこで今回は合同会社の「社員」のことについて紹介していきます。

合同会社って何?

まず「社員」の説明に入る前に「合同会社」とは何かについて紹介していきます。

会社法では、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社の4種類があります。

そのうち、合名会社、合資会社、合同会社の3種類が会社法上で「持分会社」と言われています。

持分会社は、株式会社のように出資者を広く集める方法ではなく、後で説明する「社員」の個性が強く重視された会社形態です。

さらに持分会社を分けるに際して、社員が会社の債務に直接の個人責任を負うかという部分で形態が分かれます。

合同会社の場合は全社員が会社の債務に直接責任を追わない形態です。

会社の債務に直接責任を負わないのは株式会社と同じです。

株式会社との違いは一般の方は区別つかないですが、「人」の個性を重視するのが合同会社だと思ってください。

合同会社の「社員」とはなにか?

会社は営利を目的とした「社団」なので、この社団の構成員のことを「社員」といいます。

従業員を意味する会社員とは異なります。

なので、合同会社に入社しても、会社の運営や意思決定に参加していないのであれば、単なる従業員に過ぎないことをまずは押さえておいてください。

合同会社の「社員」は株式会社の「株主」と似ているところがありますが、異なる部分もあります。

株式会社の株主は、株主総会で議決権を行使することができます。

しかし、法律の建前で「所有と経営が分離」しているので、業務の執行は会社から委任をうけた取締役が行うことになります。

一方で合同会社の場合は、社員として、定款の内容や重要な意思決定に関する権限を与えられ、社員持分として1個を有しています。

出資額に関係なく1個なので、「人」としての部分が強いのが特徴です。

また業務決定や執行については、社員自身が行うことになります。

また定款で社員のうち業務を執行する社員を定めたりすることも可能で、業務執行社員のうち特に代表社員を選ぶことも可能です。

会社の意思を決定する「社員」と登記事項になりませんが、「業務執行社員」の氏名または名称、「代表社員」の氏名または名称及び住所は登記事項となります。

合同会社の場合は「所有と経営が一致」している形態なので、会社の関する経営は社員が担っていると思ってもらえるといいでしょう。

まとめ

株式会社と合同会社は似ているところがあるが、会社法上は異なる会社形態

合同会社でいう「社員」は会社の従業員という意味ではなく、会社の重要な事項を決定したり業務を執行したりする立場である。

合同会社の社員になるということは会社に出資して会社の運営を担うことを意味している

今回は
『合同会社の「社員」って何?江戸川区の司法書士が解説します』
に関する内容でした。

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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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