商業登記 代表取締役の辞任届に住所記載は必須か?

東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。


はじめに

司法書士業界で商業登記の権威といわれて
いる金子登志雄先生が代表取締役の辞任
登記について面白いブログを書いて
いました。

代表取締役の辞任届と住所(2017年11月10日)


私のブログでも代表取締役の辞任登記に
ついて何度か触れたことがあります。


ところで、代表取締役の辞任届には
住所記載は必要なのでしょうか?

代表取締役の辞任届に住所記載は必須か?


そもそも辞任届に住所記載が必要か?

代表取締役の辞任届に住所が記載がない
場合は登記は受理されないのでしょうか?


上記金子先生のブログでは住所の記載が
されていない代表取締役の辞任届でも
登記は受理されるということです。
ただ、最近どうも法務局で辞任届に
住所記載が必要だというところがあるようです。


代表取締役の辞任登記の際に添付すべき
辞任届には、会社の実印もしくは
代表取締役個人の実印と印鑑証明書が
要求されているだけで、住所の記載までは
法律上求められていません。

(そうであれば、商業登記規則の条文に
辞任届には住所を記載しなければならない等の
記載があるはずです。)

ただ、法務局によっては、代表取締役
辞任の際に住所の記載が求められている
ところがあるようで、なぜそんな扱いを
するのか疑問です。
(金子先生のブログを見ると、どうも
書籍に記載してあるからというわけの
分からないことを根拠にしているようです)


雛形はあくまでも雛形であって、
法律上の要件が必要最低限書面に残って
いるのであれば、問題がないと思います。
商業登記に関する法務局の職員の質が
落ちているからでしょうか?


もし辞任届に登記簿と異なる住所が書かれていたら・・・

もし、代表取締役の辞任届に
記載されている住所と代表取締役の
住所が異なっていた場合はどうすべきか?


私は、代表取締役の辞任登記申請時に
代表取締役の住所変更登記をした上で
辞任登記を出すべきだと思います。


現状代表取締役の住所が登記事項と
なっている以上、現在の住所と異なって
いる場合、公示上の観点から正しい住所
する必要があると考えられるからです。


例えば、会社に対する訴えを起こすとき
辞任した代表取締役を相手する場合、
辞任当時の住所が異なるのは相手方に
とっても不測の事態になります。


現状の制度がそのようになっている以上、
辞任届に記載されている住所と登記簿上の
住所が異なる場合は、住所変更登記が
必要だと解されます。


おそらく、法務局では、辞任届に記載
されている住所と代表取締役の住所が
異なるということで、補正を促すでしょう。


私の役員の辞任届の考え方は?

先程も書きましたが、辞任届自体に
住所を記載することは辞任登記の
申請受理要件になって
いません。


ただ、私は代表取締役の辞任だろうと
取締役の辞任だろうと辞任の意思表示を
その人がしたという真性担保の観点から、
住所記載をお願いしています。


代表取締役の場合は、辞任届には会社実印
もしくは個人実印に個人の印鑑証明書を
添付することで真性担保が図られます。


しかし、本当にその人からの辞任届かを
確かめるためにも住所記載はお願いした
方がいいでしょう。


登記申請が受理されるかどうかは
別問題で、会社のトラブル予防につながる
と思います。

まとめ

辞任届に住所の記載がないからといって
登記が受理されないというのはおかしい
と思います。


ただ、登記が受理されるのと会社の証拠
保全とは異なりますので、取締役や
代表取締役の辞任の際には住所の記載を
すべきだと思います。


今回は
『代表取締役の辞任届に住所記載は
必須か?』

に関する内容でした。


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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
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