「会社設立アドバイザー」
東京都江戸川区葛西駅前
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。

商業登記規則の改正がいよいよ来週に迫っています。
色々と問題点が出ていますが、今回のテーマは

「代表者が辞任登記をするとき、例外として辞任を証する書面に会社代表印を押す場合はどういうケースか?」

です。

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辞任届に実印と印鑑証明書が必要になった

まず、条文で確認しておきましょう。

商業登記規則第61条第6項
代表取締役若しくは代表執行役若しくは執行役(登記所に印鑑を提出したものに限る。以下この項において「代表取締役等」という。)の辞任による変更の登記の申請書には、当該代表取締役等が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と当該代表取締役等が登記所に提出してある印鑑とが同一であるときは、この限りでない。

原則は辞任届に辞める代表者の実印と代表者個人の印鑑証明書が必要です。

しかし、登記所に提出してある会社の代表印が辞任を証する書面に押印してあれば、別途辞める代表者の個人実印の押印と個人の印鑑証明書が不要になります。

この61条6項但書がどのような意味を持つのか、私自身疑問に思っていました。

代表者の辞任届に会社代表印を押印するというイメージでしか考えていませんでした。

<参考投稿>

【3分以内で読める!企業法務】代表者の辞任登記も添付書面が変わります! | 司法書士行政書士きりがやブログ(きりログ)

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株主総会もしくは取締役会で辞任の意思表示をした場合の扱い

まず、代表取締役の辞任の際の退任を証する書面について、商業登記ハンドブック第2版414ページには次のように書かれています。


1、取締役会を置かない会社

(1)定款又は株主総会の決議により定められた代表取締役
定款の変更又は株主総会の承認決議に係る株主総会議事録

(2)定款の定めに基づく互選により定められた代表取締役
定款及び辞任届

2、取締役会設置会社における代表取締役
辞任届

<参考書籍>

商業登記ハンドブック

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1の(1)の場合、代表者として記名又は署名して、会社代表印を押せば、別途辞める代表者の実印押印と印鑑証明書はいらないでしょう。

問題は1の(2)と2のケース

辞任する代表取締役兼取締役が株主総会において、その取締役選任する株主総会の席上で口頭の辞任の申し出をし、それが議事録に記載されていると、その株主総会議事録を辞任届として援用出来る先例があります。

これを類推し、代表取締役だけを辞任する場合、代表取締役を新たに選任する取締役決議、取締役会にて、辞任の申出をすれば、その決議書若しくは取締役会議事録を辞任届として援用出来ると思われます。

そこで、これら上記記事録に会社代表印を押せば、別途辞める代表者の実印と印鑑証明書は不要になると思われます。

ただし、総会等に辞める代表取締役が出席していなければ、この扱いはできないと思われるので、原則に戻り、辞任届に実印・印鑑証明書の添付が必要になるでしょう。

なお、司法書士の内藤卓先生のブログが参考になるので合わせて御覧ください。

代表取締役等の辞任を証する書面 – 司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

辞任を証する書面に会社代表印を押すケースは以上が考えられます。


まとめ

結局、平成27年2月21日現在、商業登記規則についてまだわからないところが多くあります。

原則に則って実務を処理していく必要があると思われます。

参考にしていただけると幸いです。

 

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